白米をガス火で簡単且つ美味しく炊くにはどうしたら良いかをこれまでの経験を踏まえて考えていた。あくまで私見。
■味に関わるファクター
白米の味に影響を与えるファクターは大きく3つ。我家では米の銘柄は実家のコシヒカリ一択なので味に起因するファクターは“炊飯クッカーの種類”と“炊き方”の2つ。
Ⅰ.米の種類
Ⅱ.炊飯クッカーの種類
Ⅲ.炊き方
Ⅰ.米の種類
米の銘柄種の他には新米 or 古米によって味が変わってくる。グルキャンで米の銘柄別の食べ比べをしてみるのも楽しいかもしれない。
Ⅱ.炊飯クッカーの種類
キャンプで素人でも簡単にという条件下で一番重要なファクターは炊飯クッカーだと思われる。炊飯クッカーは以下の3つの項目と自分のキャンプスタイルを照らし合わせて選ぶ。
①炊飯量(サイズ)
②素材
③形状
①炊飯量
炊飯クッカーにおいては大は小を兼ねない。5合炊き用の大型炊飯クッカーで少量炊きは極めて困難。米量に合ったサイズの炊飯クッカーを選ぶ必要がある。
・0.5~1合
小生の1回の食事適正量は0.5合なのだがこの量を美味しく炊くのは素人には中々の難しい。所有している[ダイソー/メスティン1合]の1合炊き容易だが、0.5合炊きは火加減調節が難しく焦がしてしまった。シェラカップで炊飯できる[OLD MOUNTAIN/OKAMADON]も気になる所だが、火加減調節の難しいことには変わらない。
[ダイソー/メスティン1合]の0.5炊き。固形燃料(25g)による自動炊飯だと火力が強すぎてかなり焦がしてしまった。
[ダイソー/メスティン1合]の1合炊き。固形燃料(25g)による自動炊飯で簡単に炊くことが出来る。素人が失敗することなく炊ける最低炊飯量は1合と思われる。
・1~2合
ソロキャンプでの1回食事量には多いが、火加減調節が容易なの炊飯量は1~2合。我家の3人家族ファミキャンでは肉BBQでは1.5~2合で事足りる。所有の2合用[Milicamp/メスティンMR-250]は最大2合迄炊飯可能。味の仕上がりと固形燃料を使った自動炊飯を考えると1.5合が最適炊飯量かな。
[Milicamp/メスティンMR-250]の1合炊き。自動炊飯の場合、固形燃料(25g)だと火力が強すぎて焦げるリスクがややあるため固形燃料を点火後30分を目途に早めに消化する必要がある。
[Milicamp/メスティンMR-250]の1.5合炊き。固形燃料(25g)と一番相性が良いと思われる炊飯量は1.5合。私見だが驚く程美味しく炊ける!
[Milicamp/メスティンMR-250]の2合炊き。自動炊飯の場合、固形燃料(25g)が自然気化により少しでも小さくなっていると火力不足で固い仕上がりになるので注意が必要。
・2~3合
カレー等のゴハン中心のメニューの際は3人家族の我家では2.5~3合は炊きたいところ。3合用の[ユニフレーム/羽釜3合]でどうしても白米が美味しく炊けないのが悩みどころ。[ユニフレーム/ライスクッカーミニDX]はかなり美味しく炊けるのに…ガス火で美味しく炊くのは難しい製品なのかもしれない。
[ユニフレーム/羽釜3合]の2合炊き。
[ユニフレーム/ライスクッカーミニDX]の1.5合炊き。
・3~5合
4人家族以上やグルキャンなら3~5合用の炊飯クッカーがあると便利。昨今の世情ではグルキャンでも食事は別にすることが多いので我家のニーズはほぼないけど。
②素材
炊飯クッカーの素材はアルミ製が圧倒的に多い!
-アルミ
我家の所有履歴のある4つの炊飯クッカーは全てアルミ製。熱が均等に伝わり易く早く炊くことが出来るがその分、焦げ付き易い。
・[ユニフレーム/ライスクッカーミニDX]
・[ユニフレーム/羽釜3合]
・[Milicamp/メスティンMR-250]
-ステンレス
耐久性に優れ焚火炊飯も可能。
・[キャプテンスタッグ/3層鋼段付ライスクッカー5合]
-チタン
チタン製の炊飯クッカーは少数派。値段は高め。
・[キース/取手付きクッキングポット]
-陶器
家庭用として陶器製の炊飯クッカーはあるが、割れやすいことからキャンプで使われることは少ない。炊き上りのご飯の外観は目を惹く。知人で炊飯と言ったら土鍋が一番という人もいる。
・[ハリオ/フタがガラスのご飯釜]
・[銀峯陶器/萬古焼銀峯土鍋 (深鍋) 7号]
③形状
形状は丸形、四角型、兵式型の3つに大別される。
-丸形
開口部が丸型の炊飯クッカー。炊飯時の対流が起きやすいイメージがあるが、四角型でも美味しく炊けるのでそこまでの差は無いのかもしれない。
・[ユニフレーム/ライスクッカーDX]
-四角型
メスティンに代表される開口部が四角形の炊飯クッカー。小型の割に容量が大きく特に荷物を小さく纏めたいソロキャンに向いている形状。
・[Milicamp/メスティンMR-750]
-兵式型
開口部がソラマメ形状の飯盒。軍の兵式スタイルであったことから兵式型とも称される。
・[キャプテンスタッグ/林間 兵式ハンゴー 4号]
④20製品仕様比較
多種多様な炊飯クッカーの中から20種ピップアップし炊飯量の少ない順→重量の軽い順で並べてみた。形状は大まかに“丸形”、“四角型”、“兵式型”の3種、素材は“アルミ”が大半を占めておりステンレスやチタン、陶器は少数派である。炊飯メモリがあると米量及び水量合わせが楽チン。最大米量(炊飯量)の記載がない製品は予測値を使用。★は個人的な物指数。
最大 米量 |
[メーカー名/製品名] | 形状 | 素材 | 炊飯 メモリ |
外寸(cm) | 重量(g) | 参考価格 |
0.5合 | [砺波商店/ご飯釜0.5合用] | 丸型 | アルミ | × | 9*9*6.5(h) | 580 | ¥3,742 |
0.8合 | [砺波商店/ご飯釜0.8合用] | 丸型 | アルミ | × | 11.5*11.5*6.5(h) | 740 | ¥3,850 |
1合 | [KEITH/クッキングポット] | 丸型 | チタン | △ | 11.8*10.8*15.8(h) | 256 | ¥8,588 |
[Boundless Voyage/チタン ハンゴウ] | 兵式型 | チタン | △ | 18.5*17.2*10.5(h) | 324 | ¥10,800 | |
[砺波商店/ご飯釜1合用] | 丸型 | アルミ | × | 11.5*11.5*8(h) | 780 | ¥4,467 | |
2合 | [大一/アルミホシマルメスティン] | 四角型 | アルミ | × | 15.4*9.6*6.7(h) | 200 | ¥2,590 |
[Milicamp/メスティンMR-250] | 四角型 | アルミ | ○ | 16.5*9.5*6.5(h) | 220 | ¥1,780 | |
[ロゴス/メスキット] | 四角型 | アルミ | × | 18.5*11.5*6(h) | 230 | ¥3,280 | |
[ウルシヤマ金属工業/釜炊き三昧2合] | 丸型 | アルミ | × | 13.4*13.4*10(h) | 1,270 | ¥4,964 | |
3合 | [ユニフレーム/ごはんクッカープラス]※セット | 丸型 | アルミ | ○ | 15.5*15.5*9.1(h) | 250 | ¥6,600 |
[ユニフレーム/ライスクッカーミニDX] | 丸型 | アルミ | ○ | 16.5*16.5*9.3(h) | 415 | ¥4,900 | |
[コールマン/ライスクッカー] | 丸型 | アルミ | ○ | 19*19*18(h) | 920 | ¥5,000 | |
[ユニフレーム/羽釜3合] | 丸型 | アルミ | ○ | 206*206*15(h) | 1,350 | ¥7,900 | |
[ウルシヤマ金属工業/釜炊き三昧3合] | 丸型 | アルミ | × | 20.6*20.6*15(h) | 1,410 | ¥5,764 | |
[ハリオ/フタがガラスのご飯釜3合] | 丸型 | 陶器 | ○ | 25.4*21*25.4(h) | 2,910 | ¥9,498 | |
4合 | [Milicamp/ラージメスティンMR-750] | 四角型 | アルミ | ○ | 19.3*13.3*7.3(h) | 285 | ¥3,080 |
[キャプテンスタッグ/林間 兵式ハンゴー 4号] | 兵式型 | アルミ | ○ | 18*11*12.5(h) | 340 | ¥1,640 | |
5合 | [ユニフレーム/ライスクッカーDX] | 丸型 | アルミ | ○ | 21*21*11.5(h) | 770 | ¥5,900 |
[キャプテンスタッグ/3層鋼段付ライスクッカー5合] | 丸型 | ステンレス | ○ | 17.5*17.5*14(h) | 810 | ¥4,255 | |
[ウルシヤマ金属工業/釜炊き三昧5合] | 丸型 | アルミ | × | 22.6*22.6*17(h) | 1,880 | ¥6,636 |
※正確な仕様は各製品HPを参照のこと
①[砺波商店/ご飯釜0.5合用]★☆☆
珍しい少量0.5合炊き用の釜型クッカー。素人でも火加減調節が簡単なら魅力的な製品。
②[砺波商店/ご飯釜0.8合用]★★☆
少量0.8合炊き用の釜型クッカー。ソロキャンなら量と火力調整のバランスの良さそうな0.8合の方が使い勝手が良いかも知れない。
③[KEITH/クッキングポット]★★☆
筒状のライスクッカー。メモリは付いているが水量が対象。少量炊きで簡単美味しく炊けるなら欲しい。
④[Boundless Voyage/チタン ハンゴウ]★★★
兵式型のチタンクッカー。
⑤[砺波商店/ご飯釜1合用]★☆☆
0.5合用、0.8合用があるがやはり1合用が一番失敗リスクが少ないかな。
⑥[大一/アルミホシマルメスティン]★☆☆
無骨感があってカッコイイ。炊飯メモリが無いので導入にはお勧めしないけど。
⑦[Milicamp/メスティンMR-250]※所有
小生所有のノーマルサイズのメスティン。固形燃料(25g)との相性も良くご飯も驚くほど美味しく炊ける(私見)。
⑧[ロゴス/メスキット]★☆☆
角ばった形状がカッコイイ。炊飯メモリが付いてないのが残念。専用のザルも別売でラインナップされており、料理メニューの汎用性が高い。
⑨[ウルシヤマ金属工業/釜炊き三昧2合]★☆☆
アルミ釜式の2合用炊飯。我家で一番多い炊飯量2合に対応。
⑩[ユニフレーム/ごはんクッカープラス]★☆☆
クッカーセット品で大型クッカーで3合迄、中型クッカーでは1合迄炊くことが出来る。
⑪[ユニフレーム/ライスクッカーミニDX]※過去所有
言わずと知れた簡単美味しく炊ける代表的なアルミクッカー。実際に簡単美味しく炊けるので凄い!1~3合用。
⑫[コールマン/ライスクッカー]★☆☆
キャンギアメーカーの老舗コールマンのブラックカラーのアルミクッカー。
⑬[ユニフレーム/羽釜3合]※所有
羽釜タイプの鍋厚アルミクッカー。如何にもご飯が美味しく炊けそうな感じだが、我家ではどうしてもうまく行かない(>_<)。目下、美味しく炊く方法を模索中。
⑭[ウルシヤマ金属工業/釜炊き三昧3合]★☆☆
羽釜タイプの3合クッカー。ガス火専用。
⑮[ハリオ/フタがガラスのご飯釜3合]★★☆
透明蓋と笛付きの土鍋クッカー。割れやすいので運搬には注意が必要。
⑯[Milicamp/ラージメスティンMR-750]★★☆
大容量タイプのメスティン。3合炊きをするならコチラ。固形燃料(25g)だとやや火力不足になるかもしれないのでバーナー炊飯が良いかも。
⑰[キャプテンスタッグ/林間 兵式ハンゴー 4号]★☆☆
ボーイスカウトの炊飯をイメージさせるソラマメ型のアルミクッカー。
⑱[ユニフレーム/ライスクッカーDX]★☆☆
5合炊き迄可能な大型のアルミクッカー。
⑲[キャプテンスタッグ/3層鋼段付ライスクッカー5合]★☆☆
ステンレス製のメモリが見やすいライスクッカー。
⑳[ウルシヤマ金属工業/釜炊き三昧5合]★☆☆
5合迄炊ける大型釜式クッカー。ガス火専用なので焚火や炭火調理は出来ない。
Ⅲ.炊き方
炊き方による味の要因は以下の4つ。
①研ぎ
②水量
③加熱時間
④その他
①研ぎ
冬キャンで洗米時に手を水に浸けるのは中々の苦行(>_<)。洗米ギアを使えば洗米の作業が幾分軽減される。冬のソロキャンなら無洗米を選択するのもアリかな。
・[石丸合成樹脂/米こさん]
キャンプ時の炊飯頻度を考えると専用洗米グッズで収納場所を占有するのはもったいない気がする。家庭用で使うのが良さそう。
・[スケーター/米研ぎシェーカー]
冬のソロキャンで手を水に浸けずに洗米できるのは魅力。事後メンテナンスはボウルタイプに比べるとやや面倒かも知れない。
・[INO/ライスボール22]
安価で評判も良い洗米ボウルの2大巨頭の1つ。3人家族キャンプで使うには少し大きい。
・[イノマタ化学/水切りスピードボール23]
安価で評判も良い洗米ボウルの2大巨頭の1つ。3人家族キャンプで使うには少し大きい。
・[下村企販/ボウル洗米18cm]
ステンレス製の小型の洗米ボウル。水切り穴が少ないのが少し気になるところ。
・[Joyoldelf/ボウル]
ザル、米研ぎ、野菜みずきりの3WAYタイプのステンレス製のボウル。
②水量
夏場は約30分、冬場は約1時間程給水させる。その後炊飯メモリがある場合はそれに準じた水量、無い場合は米1合当たり1.1~1.2倍の水量(180~200mL)を目安。水量は米の銘柄や新米か古米か、標高や気象条件によって変化するので微調整するのは素人で難しい。メモリ付きなら基本そのままで固い用なら次回からは少なめ、柔らかい用なら次回から多めにする程度で良いと思われる。
③加熱時間
加熱時間は炊飯クッカー毎で違うので取説に準じて加熱し、仕上がりを見て次回から調節する。初めてのキャンプならまずは自宅のガス台で試してからの方がキャンプ場での失敗が少ない。また、炊き上ったら30~60秒加熱することでオコゲを作ることが出来るが、やり過ぎると焦げて米が鍋にこびり付き食べられる米量が減るので最近はやらないことが多い。
④その他
・氷を入れる
80℃に上昇するまでの時間を長くするとお米のデンプンが糖分になる温度80℃迄の時間が長くなりデンプンが糖分に分解されやすく、ご飯の甘みが出てくるらしい。実際に試してみたが特段味に違いを感じることは出来ず。
・オリーブオイルを入れる
古米でも新米のように艶がでて美味しく炊けるとのことだが、実感するに至らず。
■まとめ
◇これからファミリーキャンプを始める人にオススメするなら
やはり、[ユニフレーム/ライスクッカーミニDX]。簡単で美味しく炊けるというコンセプトに一番近い炊飯クッカー。炊飯量が多いなら5合迄炊くことのできる[ユニフレーム/ライスクッカーDX]もある。[ユニフレーム/羽釜3合]もお勧めしたいところだが我家ではイマイチ美味しく炊くことに成功していない。
◇これからソロキャンプを始める人にオススメするなら
ノーマルサイズのメスティン[Milicamp/メスティンMR-250]。炊飯用メモリ付きで固形燃料(25g)との相性も良く、失敗が少ない。
◇個人的に簡単美味しく炊けるかを試してみたいのは
チタン製の[KEITH/クッキングポット]と[Boundless Voyage/チタン ハンゴウ]の2つ。
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