雨天キャンプの心得2021 ~テントの位置取り編~

今年は例年より3週間早い梅雨入りということで雨キャンプについて諸々考えてみた。完全晴れ予報ならテントの配置は使い勝手優先で決めてよいのだが、雨予報なら幕内浸水リスクを低減させる位置取りを考える必要がある。

■雨の頻度
過去通算60回のキャンプ中、約5回に1回は雨天設営と雨天撤収、約2回に1回はキャンプ中の何れかに雨が降り、10回に1回は幕内浸水事例が発生している。

・雨天設営:12回(20%)
・雨天撤収:10回(17%)
・完全雨無:32回(53%)
・雨有:28回(47%)
・自幕&他幕浸水:7回(12%)
・自幕内浸水:5回(9%)

≪浸水事例≫
2nd オートキャンプ@北軽井沢スウィートグラス ~Check&Act編~
3rd オートキャンプ@こっこランド那須F.C.G ~Check&Act編~
2019年6thキャンプ#28@PICA富士ぐりんぱ ~検証編~
2019年10thキャンプ#32@北軽井沢スウィートグラス ~検証編~ ※IKさん幕
2020年6thキャンプ#43@赤城山オートキャンプ場 ~検証編~
2020年7thキャンプ#44@北軽井沢スウィートグラス ~検証編~
2021年7thキャンプ#59@北軽井沢スウィートグラス ~LookingBack~ ※KUさん幕

■区画レイアウト~テントの位置取り~
基本、テントの位置取りは豪雨時の雨の流れを避けるために下流よりも上流に配置した方が幕内浸水のリスクが低い。過去に実際に遭遇した幕内浸水事例を基に、3つの状況別にテントの位置取りを考えてみた。テントは[オガワ/ロッジシェルターⅡ]を想定。実際には樹木や岩等があったり、2テントサイトで1幕は下流に設営しなければならなかったりと、イメージ通りのレイアウトは出来ないのだが3つのタイプを組合せば殆どのサイトで対応が可能。また、テントの配置に関しては太陽の向きや風向も併せて考える必要もある。また隣のサイトの寝室同士が近くならないようにするとお互いに気を遣わなて良い。ちなみにあくまで私見なので悪しからずm(__)m。


 

≪傾斜サイト≫
殆どの区画サイトはサイトに雨が溜まらないように傾斜があり最も遭遇率が高い形状。幕内浸水を避けるためには基本上流にテントを配置した方が良い。

左は誤レイアウト(×)、右は正レイアウト(○)。且つ寝室が斜めにならないようにできれば最良。

≪島状サイト≫
こちらも良くある形状。テントサイトが浮島状になっており雨が外周部に流れるようになっている。コチラも傾斜サイトと同様に下流ではなく上流側にテントを配置した方が浸水リスクが少ない。

左は誤レイアウト(×)、右は正レイアウト(○)。

≪棚田サイト≫
山キャンプで多い形状。山裾にテントを配置すると、集中豪雨時に山から流れる大量の雨水(鉄砲水)でシャベルで溝を作ったとしても幕内に一気に浸水してしまうリスクがある。傾斜具合にもよるが、テントは上流と下流の中間に配置し、シャベルで予め雨の流れを作っておくのが良い。シャベルで作った溝は忘れずに撤収時、現状復帰!

左は誤レイアウト(×)、右は正レイアウト(○)

■テントレイアウトのチェックポイント
全ての条件を満たすのは困難なので何を優先し何を劣後するかが肝。ちなみに我家は幕内「浸水リスク」と「隣サイトの寝室スペースの距離」を優先することが多い。

幕内浸水のリスクの少ない場所にテントを張る(下流もしくは山裾を避ける)
□幕内に陽の光を取り入れたい場合は南向き、そうでない場合は北向きにテントを張る
□一定方向に強風が吹いている場合は入口から幕内に風が入らないようにテントを張る
隣サイト同士寝室スペースが近くならないようにテントを張る
□寝室スペースは出来る限り傾斜の少ない場所を選びテントを張る
□火の粉による穴あきリスクが低い焚火スペースを確保できる位置にテントを張る(焚火をする場合)

■雨天設営&撤収時のあると便利なもの

・雨具
上下雨具に加えレインキャップがあると良い。小雨でも結構濡れて秋口だと体も冷えるので雨天作業時はフル装備で臨みたい。


・長靴
特に土サイトは靴が泥まみれになるので長靴は必須。収納サイズが小さい折りたたみ式がオススメ。

 

・グローブ
雨天作業時は手がふやけて怪我がし易いため、グローブ(手袋)があった方が良い。


 

・シャベル
地面に溝を作り雨水をテントエリアから避ける。


 

・雑巾
雨に濡れたギアの拭き取り用。最低2枚できれば4枚あれば良い。


 

・パラソルタープ
雨に濡れないスペースを時短で設けることが出来る。


 

・オープンタープ
タープを先行設営することによりタープ下にテントを設営もしくは諸々の作業が可能となる。レクタタープの場合、標準張りよりもタトンカ張りにした方がペグダウン数は増えるが、雨撥ねリスクが少ない。


 

・大きなゴミ袋
雨天撤収時に濡れ物を入れるよう。容量100~120Lが最低2枚あると便利。


 

■まとめ
過去の自分に贈る雨キャンプの5つの教訓。雨天撤収後の乾燥作業は可能であれば可及的速やかにテント設営が可能な公園等で実際にピン張りして実施するのが理想だが、時間が取れない場合はベランダや庭等で広げてまずは仮乾燥した方が良い。乾燥作業が遅れると水臭くなったり、カビ発生のリスクが出てくる。

①作業は小雨であっても上下雨具と長靴、レインキャップの完全フル装備で臨むべし!
②雨のリスクが少しでもあるなら雨水の流れを想定して下流ではなく上流にテントを配置せよ!
③下流に配置せざる負えない場合はシャベルで雨水の流れを作り幕内への侵入を阻止せよ!
④レクタタープはタトンカ張りで雨撥ねリスクを回避せよ!
⑤雨天撤収後は水臭さ&カビ予防のために可及的速やかに乾燥せよ!

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