インナーテントを考える2024 ~カンガルースタイル全10幕 比較検討編~

[ネイチャーハイク/Dune10.9]のソロキャン導入に伴い、カンガルースタイルに使用できるインナーテントを改めて考えてみた。

■2つのカンガルースタイル

カンガルースタイルでインナーテントを運用する場合、便宜上コット装着の可否により2つのスタイルに分類する。オコモリソロキャンの際はベンチ兼用のできるコットスタイルを採用することが多い。

≫特徴

【Ⅰ】コットスタイル
コットに装着して使用するタイプのインナーテント。単体での使用も可能。

別途装着可能なコットを用意する必要がある。ハイコットに装着した場合、ベンチとしても使用することが出来ると共に、ハイコットの下部スペースを荷物置きとしても使用する子ができ便利!寝面が地面の形状の影響を受けないのも利点。単独でも使用することも可能だが、コット装着を前提とした設計のため地べたスタイルに比べ幕内特に奥行が70cmと狭いため寝返りが打ち難い。またハイコットに装着した場合高さが出るため、ティピー型テントのような幕壁に角度があるタイプでは幕内壁に寄せることが出来ず幕内レイアウトが制限される。

【Ⅱ】地べたスタイル
地面置き単体使用が前提となるタイプのインナーテント。

ソロのコットスタイル仕様だと奥行が70cmのものが多いが、地べたスタイルだと90cm以上のものが多くマットもしくはローコットを内包したとしても別途荷物置き場を設けることが出来き寝返りも打ちやすい。また、コットスタイル仕様だと高さがあるため幕内レイアウトが制限されるが、地べたスタイル仕様だと高さが抑えれれているのでレイアウトし易い。難点は地面形状の影響を受けやすいことベンチ使用がし難いこと。

≫比較

個人的見解における各スタイルの利点難点がコチラ。

項目 Ⅰ.コットスタイル Ⅱ.地べたスタイル
利点 ・コット下を荷物スペースとして利用できる
・ベンチとしても利用できる
・寝面が地面形状の影響を受け難い
・開放感がある
・出入りの際、膝と腰に優しい
・幕内が広く寝返りし易い
・幕内に荷物スペースを設けることが出来る
・別途コットを組み立てる必要がないため時短展開が可能
・ローコットを内包することが出来る
・幕内壁に干渉し難く端に寄せ易く幕内レイアウトがし易い
難点 ・幕内が狭く寝返りし難い
・別途コットを組み立てる必要があり時短展開が出来ない
・幕内に荷物スペースを設けることが出来ない
・装着可能なコットを用意する必要がある
・コットを組み立てるのに手間がかかる
・幕内壁に干渉し易く端に寄せ難く幕内レイアウトに制限がある
・コット下を荷物スペースとして利用出来ない
・ベンチ使用がし難い
・寝面が地面形状の影響を受け易
・閉塞感がある
・出入りの際、膝と腰に厳しい

※あくまで私見

■所有4幕

カンガルースタイルで使用できる所有インナーテントは4種。コットに装着可能なのが[Helinox/タクティカルコットテントソロインナーメッシュ]と[FIELDOOR/ポップアップメッシュテント]の2製品。幕内に荷物スペースは確保できないが、入口ドアパネルを開放することによりベンチとしても使用できるのが良い。両幕共常時フルメッシュ仕様で換気能は抜群で幕内からの視界も良好だが、フルクローズは出来ない。
※コットは[ヘリノックス/コットワンコンバーチブル]を使用



 

≫所有4幕の特徴

A.[Helinox/タクティカルコットテントソロインナーメッシュ]
展開寸190*70*95(h)cm/重量1.59kg/ナイロン生地。コット装着可能、常時フルメッシュ仕様、フルクローズ不可、前後面パネルをオープン可、インナー内荷物スペースなしベンチ使用可能幕内は広く解放感があるが、高さがあり上方が広がっている構造(上方奥行94cm)のため幕壁に寄せることが出来ないパネル収納が左辺部且つポケット収納式で使い勝手が良い。現状、カンガルースタイルで一番出動機会の多いインナーテント。


 

B.[FIELDOOR/ポップアップメッシュテント]
展開寸230*70*70(h)cm/重量1kg/ポリエステル生地。コット装着可能、常時フルメッシュ仕様、フルクローズ不可、前後面パネルをオープン可、インナー内荷物スペースなしベンチ使用可能。[Helinox/タクティカルコットテントソロインナーメッシュ]より幕内壁に寄せることが出来る。利点は時短展開&収納が出来ること。[オガワ/ロッジシェルターⅡ]の夏の陣のインナーテントとして[DOD/カンガルーテントS]と併せて使用。


 

C.[Coleman/インスタントアップドームS]
インナー展開寸210*90*100(h)cm/インナー重量2.67kg/ポリエステル生地。フライ付属モデルだがインナーテントのみを使用。コット装着不可ローコット内包可能(ハイコット不可)、前後面パネルメッシュ&オープン&フルクローズ可能。幕内にマットもしくはローコットとは別に荷物スペースを設けることが出来る。パネル収納が下辺部にあり使い難い。ソロキャンでの出番は少なく、ゲスト用として所有。


 

D.[DOD/カンガルーテントS]
展開寸220*150*128(h)cm/重量4.3kg/コットン生地。コット装着不可、ローコット内包可能、四面パネルをメッシュ可能、前後面パネルをオープン&フルクローズ可能。幕内にマットもしくはコットを1つ追加し2人仕様、もしくは荷物スペースを設けることが出来る。[オガワ/ロッジシェルターⅡ]の夏の陣のインナーテントとして[FIELDOOR/ポップアップメッシュテント]と併せて使用。


 

≫所有4幕の仕様一覧

ソロキャンの際はベンチとしても使用できるテントコットタイプがやはり使い易く実際の出動回数は[Helinox/タクティカルコットテントソロインナーメッシュ]が一番多い。コットに装着できる2幕は何れも常時フルメッシュ仕様なのでクローズ仕様に出来ない。

No. スタイル [メーカ名/製品名] 展開寸(cm) 奥行
(cm)
収納寸(cm) 重量
(kg)
生地 パネル
収納部
フルクローズ フルメッシュ フルオープン 参考価格
A コット [Helinox/タクティカルコットテントソロインナーメッシュ] 190*70*95(h) 70 57*20*20(h) 1.59 NL 左辺 × ¥30,800
B [FIELDOOR/ポップアップメッシュテント] 230*70*70(h) 70 70*70*4(h) 1 PE 上辺 × ¥7,400
C 地べた [Coleman/インスタントアップドームS] 210*90*100(h)
※インナーのみ
90 65*17*17(h) 2.67 PE 下辺 ¥7,980
D [DOD/カンガルーテントS] 220*150*128(h) 150 70*21*21(h) 4.3 CT 左辺 ¥15,800

※正確な仕様は各製品HPを参照のこと

■候補10幕

前後面パネルをクローズすることが出来るインナーテントをコットスタイル及び地べたスタイルに分けそれぞれ5幕ずつ計10幕をピックアップ。

≫候補10幕の特徴

代替候補10幕のスタイル別の特徴を記したのがコチラ。

【コットスタイル】

①[GOGlamping/コットテントSKY EYE CT]
展開寸190*68*100(h)cm/重量2.25kg/ポリコットン生地。上面にメッシュ天窓、側面にメッシュパネルを備え5面メッシュ仕様が可能なメッシュフルで換気能抜群のインナーテント。フルクローズ仕様も可能。フレームワークもシンプルで2本のフレームを魚座型に組むことで簡単に設営可能。上方がやや狭まっているため、コット装着タイプの中では幕内壁に寄せ易く幕内レイアウトもし易いことが予想される。惜しむべきはパネル収納が下辺部になるためカーテン調に使用することができないこと。


 

②[DRASOUL/折りたたみベッドドームテント]
展開寸190*70*100(h)cm/重量2.5kg/ポリコットン生地。前後面パネルはクローズ/メッシュ/オープン、両側面ミニパネルにメッシュを備え換気能の高いインナーテント。フレームワークにより上方スペースが広く開放感があるが、幕内壁にはやや寄せ難いかも。1本の連結フレームで構成されておりフレームワークもシンプルだが、ポールを組んだ際に長くなり広い設営スペースが必要となるため幕外でコットにセットしてから幕内に移動するのが良いと思われる。…がYポール片方をハトメにセットしてポールを端から順に組み立ていけば狭いスペースでも作業できるかもしれない。パネル収納が左辺且つポケット収納式なのも魅力で下辺&右辺ジッパーを開放すればカーテン調に使用することが出来き出入りが楽な上に寝返りの際に腕や肘を幕外に出すことも出来るかもしれない。

 

③[FIELDOOR/ポップアップシェルターテント]
展開寸230*70*70(h)cm/重量1.2kg/ポリエステル生地。ポップアップ式で時短展開&時短撤収できるのが何よりの魅力。難点は全幅が230cmと長く幕内レイアウトが制限されることと、前面のみメッシュ&クローズ仕様になるが後面パネルは無いため通気性が悪く結露し易いこと。



④[Naturehike/A-Type Village]
展開寸200*110*90(h)cm/重量7kg/ポリエステル生地。奥行がワイドでフレームワークもワンタッチ式で簡単なのが魅力。難点はノーマルではなくワイドサイズのコットが必要なことと、重量が重いこと。





⑤[Naturehike/Canyon1]
展開寸200*68+55*95(h)cm/重量1.5kg/ポリエステル生地。紐を引っ張るだけで時短展開できるのが可能。インナー奥行長が68cmなのでノーマルサイズのコットには代替セット可能。フライ&インナーテントセット製品のためカンガルースタイルで運用する場合フライのみを取り出すことはできないのが難点。


 

【地べたスタイル】

⑥[テンマクデザイン/モノポールインナーテント]
展開寸210*70*97(h)cm/重量1.28kg/ポリエステル生地。奥行が70cmと短いためコットの上に載せることも可能だが、装着パーツがないため不安定。フライを1本の支持ポールで吊り下げているため時短展開が可能だがその分、単体使用であっても不安定さが懸念される。パネルが下辺収納式なのでカーテン調に使用できないのも残念。



⑦[GOGlamping/SKY EYEツーリングドームテントTCソロ]
展開寸210*90*112(h)cm/重量2.8kg/ポリコットン生地。前後面パネルに加え上面もメッシュ&クローズすることが出来き加えて前後面パネルはオープン仕様も可能で小型テントながら抜群のパネルバリーションを誇る。奥行も①コット装着タイプが68cmに対して当製品は90cmと+22cm長く寝返りし易い。パネルが左辺収納式なのでカーテン調に使用できるのも有難い。別売のアウター上面はTPUドアになっている。


 

⑧[DRASOUL/カンガルーテントTCシングル]
展開寸210*90*107(h)cm/重量2.62kg/ポリコットン生地。前後面及び両側面がメッシュ&クローズすることが出来き加えて前後面パネルはオープン仕様も可能で小型テントながら抜群のパネルバリーションを誇る。奥行もコット装着タイプが70cmに対して当製品は90cmと+20cm長く寝返りし易い。パネルが下辺収納式なのでカーテン調に使用できないのが残念。別売のアウター両側面はTPUドアになっている。


⑨[DOD/フカヅメカンガルーテントSS]
展開寸215*95*116(h)cm/重量2.4kg/コットン生地。コットン生地を採用し質感が高く結露の発生が少ない。上方の構造に角度を持たせることで幕内幕壁に寄せることが出来るコンセプトを打ち出したカンガルーテントの走りとも言える幕。前後面パネルはクローズ、メッシュ、オープン仕様を選択できるが上面&側面にメッシュパネルは無い

 

⑩[FIELDOOR/カンガルーテント100]
展開寸210*105*110(h)cm/重量1.6kg/ポリエステル生地。2本のポールをクロスさせて設営する一般的なドーム型テント。奥行も105cmとソロで使いには広く幕内に寝面以外に荷物スペースも設けることが出来る。そして何といっても価格の安さが魅力。前後面パネルはクローズ、メッシュ、オープンが可能だが、上面&側面のメッシュは無い


 

≫候補10幕の仕様一覧

2スタイル全10幕の仕様比較一覧がコチラ。並びは奥行長順。

【コットスタイル】

 No. [メーカ名/製品名] 展開寸
(cm)
収納寸(cm) 重量
(kg)
パネル
収納部
フルクローズ フルメッシュ フルオープン 参考価格
1 [GOGlamping/コットテントSKY EYE CT] 190*68*100(h) 50*14*14(h) 2.25 下辺 ¥10,980
2 [DRASOUL/折りたたみベッドドームテント] 190*70*100(h) 52*16*16(h) 2.5 左辺 ¥15,800
3 [FIELDOOR/ポップアップシェルターテント] 230*70*70(h) 70*70*4(h) 1.2 上辺 ¥6,500
4 [Naturehike/A-Type Village] 200*110*90(h) 105*19*19(h) 7 左辺 ¥26,990
5 [Naturehike/Canyon1] 200*123*95(h) 46*14*15(h) 1.5 左辺 ¥15,990

※正確な仕様は各製品HPを参照のこと

【地べたスタイル】

No. [メーカ名/製品名] 展開寸
(cm)
収納寸(cm) 重量
(kg)
パネル
収納部
フルクローズ フルメッシュ フルオープン 参考価格
6 [テンマクデザイン/モノポールインナーテント] 210*70*97(h) 51*11*11(h) 1.28 下辺 ¥5,060
7 [GOGlamping/SKY EYEツーリングドームテントTCソロ] 210*90*112(h) 52*16*17(h) 2.8 左辺 ¥10,980
8 [DRASOUL/カンガルーテントTCシングル] 210*90*107(h) 52*16*17(h) 2.62 下辺 ¥12,800
9 [DOD/フカヅメカンガルーテントSS] 215*95*116(h) 43*15*15(h) 2.4 下辺 ¥14,300
10 [FIELDOOR/カンガルーテント100] 210*105*110(h) 40*14*14(h) 1.6 左辺 ¥4,200

※正確な仕様は各製品HPを参照のこと

■マッチング

コット及び地べたスタイル毎に自分のキャンプスタイルにマッチしていると思われるギアをそれぞれ1つずつピックアップしてみた。これまでのキャンプ履歴を振り返るとベンチ使用可能でコット下を荷物スペースを設けることが出来るコット装着スタイルの方が良いかな。

≫コットスタイル

コット装着可能な所有2幕はいずれも常時フルメッシュ仕様でフルクローズが出来ないことからコット装着可能且つフルクローズ&フルメッシュ&フルオープンが可能且つ、パネル収納が左辺式でカーテン調に使用できる当製品が小生のキャンプスタイルとのマッチング度が高い。

・[DRASOUL/折りたたみベッドドームテント]


≫地べたスタイル

地べたスタイルなら幕内スペースに余裕があり寝返りもし易く、パネル収納が左辺式でカーテン調にも使用することが出来る当製品が小生のキャンプスタイルとのマッチング度が高い。

・[GOGlamping/SKY EYEツーリングドームテントTCソロ]


■まとめ

所有アウター(シェルター)テントとのマッチングがコチラ。コットスタイルで[オガワ/タッソTC]で使うなら上方が細く幕内壁に寄せることが出来る[GOGlamping/コットテントSKY EYE CT]がそれ以外なら、ドアパネルを左辺に収納出来ベンチとして使い易い[DRASOUL/折りたたみベッドドームテント]のマッチング度が高い。尚、カンガルースタイルでのみ使用で、幕外使用は想定していないため小生の上面メッシュのニーズは低い。カンガルースタイルで運用するアウターテントは[ネイチャーハイク/Dune10.9]が一番多いことを考えると[DRASOUL/折りたたみベッドドームテント]が最適解かな。

コット
装着
インナーテント [オガワ/
ロッジシェルターⅡ]
[オガワ/
タッソTC]
[ネイチャーハイク/
Dune10.9]
可能 [GOGlamping/コットテントSKY EYE CT]
[DRASOUL/折りたたみベッドドームテント]
不可 [GOGlamping/SKY EYEツーリングドームテントTCソロ]
[DRASOUL/カンガルーテントTCシングル]

※あくまで私見


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