テントを考える2021 ~これからの展望編~

2020年一番出番の多かったテントは[オガワ/ファシル]。満足度の高いテントではあるが、ドーム型テントであるが故のポールをスリーブに通し、撓らせてピンに刺す作業はやはり面倒…特に2020年は雨天設営が多くその作業は最早苦行(>_<)。それを踏まえて今後の幕選びの展望を改めて考えてみた。予め断っておくがポールをスリーブに通すこと自体は悪ではない。この機構により収納時のコンパクト化とポールを撓らせることにより耐風性、ペグダウンなしでの自立、適度な幕内空間(ティピーとロッジの中間)等を実現している。すべての条件を満たすテントは存在しないため何を優先し何を妥協するか…。


 

■所有幕
現在の所有幕は以下の3幕。ファミキャン用として[オガワ/ファシル]は春秋夏の3シーズン幕、[テンマク/PEPOテント]は冬幕として使用している。ソロキャン幕としては[DOD/ショウネンテントTC]を使用。

[オガワ/ファシル] [テンマク/PEPOテント] [DOD/ショウネンテントTC]
タイプ ドーム型2ルーム Aフレーム型 2ポールシェルター
外寸(cm) 495*265*180(h)  290*270*205(h) 220*220*180(h)
収納寸(cm) 72*30*30(h) 75*35*35(h) 52*22*22(h)
生地 ポリエステル ポリコットン ポリコットン
幕重量(kg) 6.0
ポール重量(kg) 4.3
インナー外寸(cm) 250*200*175(h) 205*95*160(h)
インナー重量(kg) 2.7
総重量(kg) 13.6 15.9 8.2
参考価格(円) 107,800 87,780 39,600


 

■代替幕候補
もしも[オガワ/ファシル]が壊れたら…同じ幕を買うのも味気ない。となると、3シーズン幕として代替幕になりえるのは以下の4幕。冬幕はポリコットン生地一択だが、3シーズンは雨天率が高いため、カビの生えにくい化繊生地の方が使い勝手が良いと判断。

[オガワ/ピルツ15Ⅱ] [オガワ/ロッジシェルターⅡ] [サバティカル/アルニカ] [ムラコ/ZIZ 5P]
タイプ ティピー型 ロッジ型 トンネル型 ドーム型2ルーム
ペグダウンなしで自立 不可 不可 不可
ポールをスリーブに通す作業 なし なし あり あり
外寸(cm) 440*440*310(h) 460*350*210(h)  620*320*210(h) 580*310*205(h)
収納寸(cm) 120*32*28(h) 92*36*54(h) 81*42*35(h) 73* 34*22(h) 
付属ペグ数 18 26 24 28
幕重量(kg) 11 9.7
ポール重量(kg) 3.5 16.4
インナー外寸(cm) 420/300*210*180(h) 340*220*205(h) 300*220*175(h) 280*210*165(h)
インナー重量(kg) 2.4 7.5
総重量(kg) 16.9 33.6 20.5 16
参考価格(円) 86,820(本体)
21,045(ハーフインナー)
159,500(本体)
53,900(5人用インナー)
84,480 162,800



 

■状況別の使い勝手
テントのタイプ別にオールシーズンにおける状況別の使い勝手を検証してみた。各項目で使い勝手の良い順に4点満点で序列をつけて、総合点を算出してみた。あくまで私見。

テント名 [オガワ/ファシル] [オガワ/ロッジシェルターⅡ] [オガワ/ピルツ15] [サバティカル/アルニカ]
タイプ ドーム型
(自立)
ロッジ型
(自立)
ティピー型
(非自立)
トンネル型
(非自立)
①車 ++++ + +++ ++
②配 ++++ +++ + ++
③設 ++ ++++ +++ +
④空 + +++ ++ ++++
⑤雨 +++ ++++ ++ +
⑥風 ++ + ++++ +++
⑦霧 ++ +++ + ++++
⑧雪 ++ + ++++ +++
⑨臭 ++ +++ ++++ +
⑩乾 +++ ++++ ++ +
⑪暑 ++ ++++ + +++
⑫寒 ++++ ++ +++ +
総合P
(48点満点)
31 33 31 26

最高点と最低点を付けた主観的理由がコチラ。改めてみると幕内空間に依存するメリット&デメリットの項目が多いナ。あくまで私見なのであしからず。

≪①車≫車載
限られた車載スペースで何を選択するか!

最軽量13.6kg且つ最小容量の[オガワ/ファシル]が4P

最重量33.6kg且つ最大容量で車載を圧迫する[オガワ/ロッジシェルターが1P

≪②配≫区画レイアウト
立ち上げた後の位置調整が可能か否か!

自立型且つボトム面積がミニマムで区画に配置しやすい[オガワ/ファシル]が4P

自立後に位置移動するにはペグを抜く必要がある[オガワ/ピルツⅡ]が1P

≪③設≫設営撤収
時短設営が可能か否か!

ポールをスリーブに通す必要がなく且つペグダウンなしで自立可能な[オガワ/ロッジシェルターⅡ]が4P

ポールをスリーブに通す作業があり、ボトム面積が最大の[サバティカル/アルニカ]が1P

≪④空≫幕内空間
天候不順時に幕内にオコモリする際の快適さ!

幕内空間が恐らく最大であろう[サバティカル/アルニカ]が4P

幕内空間が恐らく最小であろう[オガワ/ファシル]が1P

≪⑤雨≫雨天設営&雨天撤収
雨天設営&撤収時の苦行度!

地面に付けずに幕体を折りたためる[オガワ/ロッジシェルターⅡ]が4P

ポールをスリーブに通す作業があり、幕体が大きく取り回しの悪い[サバティカル/アルニカ]が1P

≪⑥風≫強風時
雨よりも怖い風の影響!

風の影響を受けにくいティピー型の[オガワ/ピルツ15Ⅱ]が4P

風の影響を諸に受けるスクエアな外観の[オガワ/ロッジシェルターⅡ]が1P

≪⑦霧≫霧の侵入
機会は少ないが霧中キャンプでの使い勝手!

メッシュパネルが多くフルクローズしなくても霧の侵入を防ぐことが出来る[サバティカル/アルニカ]が4P

メッシュパネルが少なくフルクローズ調でないと霧の侵入を防ぐことが出来ない[オガワ/ピルツ15Ⅱ]が1P

≪⑧雪≫積雪
機会は少ないが積雪によるテント倒壊のリスクの可否!同じティピー型でも四角錐よりも八角錐の方が積雪し難いようだ。

八角錐ティピー型で幕上の積雪のリスクが少ない[オガワ/ピルツ15Ⅱ]が4P

スクエアな外観で積雪のリスクの高い[オガワ/ロッジシェルターⅡ]が1P

≪⑨臭≫幕内調理時の匂い
幕内調理した際に匂いが籠るか否か!

頂上部が開放でき匂いや一酸化炭素が抜けやすい[オガワ/ピルツ15Ⅱ]が4P

ベンチレーターが中間部にあり匂いが籠りそうな[サバティカル/アルニカ]が1P

≪⑩乾≫乾燥作業
乾燥撤収のし易さ!特に寒い季節はスカート部やグランドシートが中々乾かず完全乾燥撤収に至らないことが多く、帰宅後の乾燥作業を余儀なくされる。

フレームの上にフライの裾を上げて乾燥できる[オガワ/ロッジシェルターⅡ]が4P

幕体が大きく乾燥に時間がかかりそうな[サバティカル/アルニカ]が1P

≪⑪暑≫風の抜け
メッシュ仕様は風の抜けは良くないのでオープン仕様になるか否かが肝!

メッシュ仕様、オープン仕様且つ天井の高い[オガワ/ロッジシェルターⅡ]が4P

メッシュが少なくオープン仕様でも風の抜けが悪い[オガワ/ピルツ15Ⅱ]が1P

≪⑫寒≫暖房効率
幕内空間が広さと暖房効率はトレードオフ。

幕内空間が最小の[オガワ/ファシル]が4P

幕内空間が最大の[サバティカル/アルニカ]が1P

■まとめ
2020年キャンプを振り返ってみて今後、改善したい点は「時短設営&時短撤収」「雨天設営&雨天撤収」「完全乾燥撤収」の3つ。これらのポイントを各々倍で計算すると[オガワ/ロッジシェルターⅡ]が頭一つ抜ける。

・オールシーズンを主眼に置くと総合ポイントトップの[オガワ/ロッジシェルターⅡ]
・冬に主眼を置くと[オガワ/ピルツ15Ⅱ] ※冬だけ使うなら結露の少ないTCモデルが良い
・夏に主眼を置くと[サバティカル/アルニカ]
が最有力候補となる!

・[オガワ/ロッジシェルターⅡ]
[オガワ/ロッジシェルターⅡ]はポールをスリーブに通す作業がなく且つペグダウンなしで自立できる稀有な存在。但し、ヘビー級の重さ車載の圧迫度が許容できればという条件付き。

ポールをスリーブに通す作業がない
ペグダウンなしで自立可能
幕壁が垂直に近いため幕内有効スペースが広い
○フルクローズ⇔フルメッシュ⇔フルオープン仕様とフレキシブルに対応可能
○長辺側のキャノピーを分割立上げ可能、且つ中央部を連結できるため2枚立上げの際でもポールは2本で済む
雨天設営&撤収時フライを地面に付けずに済む
×とてつもなく重く、デカイ
×風の影響を受けやすい
×結露し易い
×雪が積もり易い

・[オガワ/ピルツ15Ⅱ]
以前、ピルツ15TCを所有。非常に優良幕であったが雨天キャンプが続き汚れがどんどん目立ってきて手入れが面倒になり譲渡。オガワのTC幕のオフホワイトカラーはカッコイイのだが、ベージュやサンド、ブランカラーモデルも追加してほしいところ。

ポールをスリーブに通す作業がない
○頂上部開放により調理時の匂いや石油ストーブ使用時の一酸化炭素が抜けやすい
○風に強い
×ペグダウンなしで自立不可
×外周部のデッドスペースが多い
×結露し易い(TCモデルならTC部の結露は少ないが化繊部のボトム立上げとフロアは結構結露する)
×メッシュが少ない

・[サバティカル/アルニカ]
フルクローズ、フルメッシュに加え、フルオープン、短辺長辺のキャノピー立上げと非常にアレンジが豊富なトンネル型テント。併せて価格が安いのも魅力的だが生産数が少なく抽選販売となっており極めて入手し難い。

○長辺側だけでなく短辺側もキャノピー立上げ可能
○フルクローズ⇔フルメッシュ⇔フルオープン仕様とフレキシブルに対応可能
○サイドのサブポール追加により耐風性が向上
○価格が安い
○外観がカッコイイ
×ポールをスリーブに押す作業がある(クロスさせないので無雨時の作業は苦ではない)
×フレームポール4本に加え、サブポール2本が必要
×ペグダウンなしで自立不可(4点ペグダウンすれば自立可能なので2人いれば位置調整はそれ程大変ではないかも)
×ベンチレーターが中間部にあるため調理時に匂いが籠り易い

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