ラーテルワークステント全13幕ラインナップ中、ダウンサイジングモデルなど複数のサイズ展開しているのが“ヴァル”“ボーデン”“ヴォ―ゲル”の3シリーズで主力幕と言える。今回はラーテルワークスの主力3シリーズを個人手視点にて紐解いてみる。
■主力3シリーズ
“ヴァル”“ボーデン”“ヴォ―ゲル”シリーズの主な違いはフレームワークによるもの。“ヴァル”はモノポール、“ボーデン”はクロースフレーム、“ヴォ―ゲル”は魚座フレームをベースとしてそれぞれサブフレームもしくはサブポールにて幕内空間を拡張している幕。シリーズ共通のベースからはグレージュ。
| シリーズ | “ヴァル” | “ボーデン” | “ヴォーゲル” |
| タイプ | ティピー(モノポール) | ドーム(クロスフレーム) | ドーム(魚座フレーム) |
| レギュラー | ヴァル3 | ボーデン | ヴォ―ゲル |
| ダウンサイジング | ヴァルライト | ボーデンMID | ヴォ―ゲルMID |
| フルクローズ時 フレーム数 |
4 | 7 | 6 |
| オープン面 | 4 | 4 | 1 |
| メッシュ面 | 4 | 4 | 4 |
| キャノピー 跳ね上げ面 |
3 | 3 | 3 |
| ペグダウンなし自立 | × | △ | ○ |
| 薪ストーブ穴 | なし | なし | あり |
| TPUドア | なし | なし | 別売OP |
| フレームワーク | モノポールをベースとして後面をアーチポール、前面も2本の立上げポールを使って幕内空間を拡張 | クロスフレームをベースとして前面アーチポールで幕内空間を拡張 | 魚座フレームをベースとして後面をアーチポール、前面を半球状にアーチポールにて幕内空間を拡張 |
※正確な仕様は各製品HPを参照のこと
■“ヴァル”シリーズ
ティピー(モノポール)をベースとした“ヴァル”シリーズはサイズ3規格、カラー3規格、種類4種類がラインナップされている。ヴァル2はファミリー、ヴァルライトはソロ向け。ヴァルライトは更に70Dリップストップポリエステル生地とコットンライクでサイズアップした150Dブラッシュファイバーポリエステル生地モデルがラインナップされている。
| シリーズ | “ヴァル”シリーズ | ||
| テント名 | ヴァル3 | ヴァルライト | ヴァルライトBF |
| タイプ | ティピー | ティピー | ティピー |
| カラー | ブランベージュ グレージュ |
グレージュ | グレージュBF |
| 生地 | 68Dリップストップポリエステル | 70Dリップストップポリエステル | 150Dブラッシュファイバーポリエステル |
| 耐水圧(mm) | 3,000 | 2,000 | 5,000 |
| ポール | モノ19mm(A6061) アーチ13mm(A7001) |
メイン25mm(A6061) モノ19mm(A6061) アーチ13mm(A7001) |
メイン25mm(A6061) モノ19mm(A6061) アーチ13mm(A7001) |
| 外寸(cm) | 520*280*250(h) | 380*290*180(h) | 380*290*200(h) |
| 外寸乗値(m3) | 36 | 20 | 20 |
| インナー寸(cm) | 260*200*180(h) | 270*155*170(h) | 270*155*170(h) |
| 収納寸(cm) | 75*30*30(h) | 70*34*30(h) | 70*34*30(h) |
| 総重量(kg) | 15.3※ツールバック含まず | 13 | 13※ツールバック含まず |
| ポール数(本) | 4 | 4 | 4 |
| 対応人数(人) | 4 | 1~2人 | 1~2人 |
| 参考価格 | ¥93,280 | ¥59,800 | ¥73,000 |
| オープン面 | 4 | 4 | 4 |
| メッシュ面 | 4 | 4 | 4 |
| TPU | なし | なし | なし |
| ペグなし自立 | 不可 | 不可 | 不可 |
※正確な仕様は各製品HPを参照のこと
我思う魅力及び懸念ポイントがコチラ。
≫魅力ポイント
・フレームワークがシンプル
・ティピー構造で幕内での料理臭が抜けやすい
・四方四面オープン仕様が可能で風の抜けが良い
・四方四面メッシュ仕様が可能で換気能が高く幕内からの視界も良い
・前方3面のキャノピーを立ち上げることで日除け&雨除けスペースを設けることが出来る。
・煙突穴がない(小生は薪ストーブ未所有のためない方が好ましい)
・ヴァルライトはブラッシュファイバー生地モデルが選択可能(コットンライクで質感が高く、耐水圧と遮光性も高いがやや結露し易い)
≫懸念ポイント
・ペグダウンなしで自立できないため立ち上げ後の角度調整や位置調整ができない。
・形を整えるのがやや難しい(ペグダウンの位置の調整が必要となる場合あり)
・TPUドアオプションがない
■“ボーデン”シリーズ
クロスフレームをベースとして前方にアーチポールを使い幕内を拡張した“ボーデン”シリーズはサイズ2規格、生地2規格、カラー3規格の全5種類のラインナップ。レギュラーサイズのボーデン/ボーデンBFは奥行400cmと長くインナーテントも380*260*195(h)cmと広いので5人家族にも対応できる数少ない規格。ボーデンMIDは3~4人となっているがゆったり使う場合はデュオがベターかな。ボーデンMIDは執筆時完売御礼再販予定なしとなっているが人気幕なので再再販の可能性はあるのではないかと密かに期待している。
| シリーズ | “ボーデン”シリーズ | |||
| テント名 | ボーデン | ボーデンBF | ボーデンMID | ボーデンMID BF |
| タイプ | ドーム | ドーム | ドーム | ドーム |
| カラー | グレージュ | グレージュBF | グレージュ/コヨーテブラウン | グレージュBF |
| 生地 | 68Dリップストップポリエステル | 150Dブラッシュファイバーポリエステル | 68Dリップストップポリエステル | 150Dブラッシュファイバー |
| 耐水圧(mm) | 3,000 | 5,000 | 3,000 | 5,000 |
| ポール | センター19mm(A6061) リッジ/フロント/アーチ16mm(A7001) バック14.5mm(A7001) |
センター19mm(A6061) リッジ/フロント/アーチ16mm(A7001) バック14.5mm(A7001) |
センター13mm(A7001) リッジ/フロント/アーチ13mm(A7001) バック11mm(A7001) |
センター13mm(A7001) リッジ/フロント/アーチ13mm(A7001) バック11mm(A7001) |
| 外寸(cm) | 567*400*200(h) | 567*400*200(h) | 445*300*180(h) | 445*300*180(h) |
| 外寸乗値(m3) | 45 | 45 | 24 | 24 |
| インナー寸cm) | 380*260*195(h) | 380*260*195(h) | 300*205*175(h) | 300*205*175(h) |
| 収納寸(cm) | 80*35*35(h) | 80*35*35(h) | 76*35*30(h) | 76*40*38(h) |
| 総重量(kg) | 20 ※ツールバック含まず |
25.5 ※ツールバック含まず |
15 ※ツールバック含まず |
18.5 ※ツールバック含まず |
| ポール数(本) | 7 | 7 | 7 | 7 |
| 対応人数(人) | 5 | 5 | 3~4 | 3~4 |
| 参考価格 | ¥129,800 | ¥129,800 | ¥79,800 | ¥79,800 |
| オープン面 | 4 | 4 | 4 | 4 |
| メッシュ面 | 4 | 4 | 4 | 4 |
| TPU | なし | なし | なし | なし |
| ペグなし自立 | 可 | 可 | 可 | 可 |
※正確な仕様は各製品HPを参照のこと
我思う魅力及び懸念ポイントがコチラ。
≫魅力ポイント
・四方四面オープン仕様が可能で風の抜けが良い
・四方四面メッシュ仕様が可能で換気能が高く幕内からの視界も良い
・前方3面のキャノピーを立ち上げることで日除け&雨除けスペースを設けることが出来る
・煙突穴がない(小生は薪ストーブ未所有のためない方が好ましい)
・ブラッシュファイバー生地モデルが選択可能(コットンライクで質感が高く、耐水圧と遮光性も高いがやや結露し易い)
≫懸念ポイント
・ドーム構造で幕内での料理臭が抜けにくい
・フレームワークが少し難解(縦に通すポールが長い)
・ペグダウンなしで自立可能だが、アーチポール構造のため位置調整は難しい
・TPUドアオプションがない
■“ヴォ―ゲル”シリーズ
魚座フレームをドーム状に組み上げ、後方をアーチポールで前方をハーフアーチポールで拡張したドーム型テント。10個のメッシュパネルを備え換気能及び幕内からの視界が良く、別売のTPUパネルを装着することにより冬や雨天時に換気や雨を避けつつ幕内からの視界を維持できる。オープンは前方のみで後方及び側方向はオープンにすることができないのでメッシュ仕様になるとはいえ風の抜けはやや悪い。煙突穴があり、前方の未開放のこと考えると夏を除く冬メインの春秋冬向きの幕と言えるかな。
| シリーズ | “ヴォ―ゲル”シリーズ | |
| テント名 | ヴォ―ゲル | ヴォ―ゲルMID |
| タイプ | ドーム | ドーム |
| カラー | グレージュ | グレージュ |
| 生地 | 68Dリップストップポリエステル | 68Dリップストップポリエステル |
| 耐水圧(mm) | 3,000 | 3,000 |
| ポール | フロント/ア一チ16mm(A7001) バック/オーバーハング 14.5mm (A7001) |
アーチ14.5mm(A7001) オーバーハング13mm(A7001) バック11mm(A7001) |
| 外寸(cm) | 530*480*216(h) | 400*350*195(h) |
| 外寸乗値(m3) | 55 | 27 |
| インナー寸(cm) | – | – |
| 収納寸(cm) | 70*40*35(h) | 70*40*30(h) |
| 総重量(kg) | 19.25※ツールバック含まず | 12.2※ツールバック含まず |
| ポール数(本) | 5 | 5 |
| 対応人数(人) | 6~9 | 2~3 |
| 参考価格 | ¥97,800 | ¥79,900 |
| オープン面 | 1 | 1 |
| メッシュ面 | 4 | 4 |
| TPU | 別売OP | 別売OP |
| ペグなし自立 | 可 | 可 |
※正確な仕様は各製品HPを参照のこと
我思う魅力及び懸念ポイントがコチラ。
≫魅力ポイント
・ペグダウンなしで自立可能で位置調整が容易
・ドーム構造だがメッシュパネルが豊富なので料理臭が抜けやすい
・メッシュパネル10枚で換気能が高く幕内からの視界が良い
・前方のキャノピーアレンジが豊富で日除け&雨除けスペースを設けることが出来る
・TPUオプションが選択可能
・ペグダウンなしで自立可能で立ち上げ後の位置調整が容易
≫懸念ポイント
・フレームワークがやや難解(魚座フレームの立上げ以外は容易)
・開放面が前方1面のみで後方からの出入りは出来きず風の抜けも悪い。
・メッシュパネル仕様にするのに手間がかかる
・メッシュパネル多用のためルーフプロテクタレス時の耐雨性が低い
・煙突穴がある(小生は薪ストーブ未所有のためない方が好ましい)
・インナーテント未付属(グランドシートとフロントパネルでインナーテント調に使用可能だが蟻の侵入は否めない)
・ブラッシュファイバー生地モデルが選択不可(コットンライクで質感が高く、耐水圧と遮光性も高いがやや結露し易い)
■“ブラッシュファイバー”生地モデル
“ヴァル”“ボーデン”はBF(ブラッシュファイバー)生地モデルがあるが“ヴォ―ゲル”にはない。BFポリエステルはコットン調の高い質感を備えながら、遮光性も高く耐水圧も高い。コットン調であるがポリエステル生地なのでコットンと違い耐火性は低く、結露も発生し易い。HPのクチコミで通常のポリエステル生地より若干結露し易いというコメントあり。また、BF生地は通常のポリエステル生地に比べ重いラーテルワークスでいうと4~6kg程重く取り回しが悪い。重量増となるが質感の高さと遮光性そして高耐水圧は魅力溢れるモデル。ヴォ―ゲルMIDにBF生地モデルが追加されることを望む。
| シリーズ | “ヴァル”シリーズ | “ボーデン”シリーズ | |
| テント名 | ヴァルライトBF | ボーデンBF | ボーデンMID BF |
| タイプ | ティピー | ドーム | ドーム |
| カラー | グレージュ | グレージュ | グレージュ |
| 生地 | 150Dブラッシュファイバーポリエステル | 150Dブラッシュファイバーポリエステル | 150Dブラッシュファイバーポリエステル |
| 耐水圧(mm) | 5,000 | 5,000 | 5,000 |
| ポール | メイン25mm(A6061) モノ19mm(A6061) アーチ13mm(A7001) |
センター19mm(A6061) リッジ/フロント/アーチ16mm(A7001) バック14.5mm(A7001) |
センター13mm(A7001) リッジ/フロント/アーチ13mm(A7001) バック11mm(A7001) |
| 外寸(cm) | 380*290*200(h) | 567*400*200(h) | 445*300*180(h) |
| 外寸乗値(m3) | 20 | 45 | 24 |
| インナー寸(cm) | 270*155*170(h) | 380*260*195(h) | 300*205*175(h) |
| 収納寸(cm) | 70*34*30(h) | 80*35*35(h) | 76*40*38(h) |
| 総重量(kg) | 13 ※ツールバック含まず |
25.5 ※ツールバック含まず |
18.5 ※ツールバック含まず |
| ポール数(本) | 4 | 7 | 7 |
| 対応人数(人) | 1~2人 | 5 | 3~4 |
| 参考価格 | ¥73,000 | ¥129,800 | ¥79,800 |
| オープン面 | 4 | 4 | 4 |
| メッシュ面 | 4 | 4 | 4 |
| TPU | なし | なし | なし |
| ペグなし自立 | 不可 | 可 | 可 |
※正確な仕様は各製品HPを参照のこと
■まとめ
ラーテルワークスの主力3シリーズのまとめがコチラ。ファミキャン幕なら“ボーデンBF”、ソロキャン幕なら“ヴォ―ゲルMID”が物欲の虫が疼くかな。
・“ヴァル”はペグダウンなしで自立不可、“ボーデン”“ヴォ―ゲル”は自立可能だが、アーチフレームのある“ボーデン”の位置調整はやや難しい。
・“ヴァル”はフレームワークがシンプル、“ヴォ―ゲル”はやや複雑、“ボーデン”は少し複雑
・“ヴァル”はポールをスリーブに通す行程がない
・“ヴァル”“ボーデン”は四方四面がフルメッシュ及びフルオープンが可能だが、“ヴォ―ゲル”はフルメッシュにはなるがオープン面は前方1面のみ
・“ヴォ―ゲル”のみ煙突穴及びTPUドアオプションあり
・“ヴァル”“ボーデン”はインナーテントが付属しているが“ヴォ―ゲル”はない。
・“ヴァル”“ボーデン”はBF生地モデルがあるが“ヴォ―ゲル”にはない。
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