睡蓮ビオトープ2024 ~庭先オススメ構成編~

伯父が庭先ビオトープを始めたいとのことで、容量120Lクラスのタライを外鉢として使用した際の睡蓮ビオトープの現時点におけるオススメ構成を考えてみた。

■容器

夏場の炎天下時の水温上昇を考えると容量の大きい120Lタライがベターで庭先に配置するのであればメンテナンス頻度を鑑みても一番使い勝手が良い。とはいえ一般的なベランダだと120Lタライは流石に大きいのでその場合は80Lを選択しても良い。

≫外鉢

ホームセンター4社の80L及び120Lタライのラインナップ一覧がコチラ。カインズはデザインが良く価格も安いが縁穴が少なく、対角線上のトンネル支柱のセットが出来ないのが難点。それ以外の3社は対角線上のトンネル支柱をセットすることが出来きその上にスダレを掛けることで炎天対策を講じることが出来る。個人的なオススメは淡色カラーで太陽光による温度上昇が比較的抑えらえていると思われる[ナフコ/角型タライジャンボ120]。

容量(L) [メーカー名/製品名] カラー サイズ(cm) 価格
80L [カインズ/ホースが留められるタライ80L] グレー 78.5*59*30(h) ¥1,980
[コメリ/角型タライジャンボ80] グリーン 77*58.5*29.5(h) ¥1,980
[ビバホーム/角型タライジャンボ80] ブルー 77*58.5*29.5(h) ¥2,178
[ナフコ/角型タライジャンボ80] ライトグレー 66*47*33(h) ¥1,980
120L [カインズ/ホースが留められるタライ120L] グレー 87*66.2*34.6(h) ¥2,480
[ビバホーム/角型タライジャンボ120] ブルー 86*66*34(h) ¥3,278
[コメリ/角型タライジャンボ120] グリーン 86*66*34(h) ¥2,680
[ナフコ/角型タライジャンボ120] ライトグレー 86*66*34(h) ¥2,380

我家の庭先で導入している120Lタライは[ナフコ/角型タライジャンボ120]と[コメリ/角型タライジャンボ120]の2つ。現行型は縁穴の数も大きさも同じで[カインズ/トンネル支柱φ11mmx2100mm]を[カインズ/クロスパッチン11x11mm5個入]を使って対角線上にセットすることが出来る。


 

[コメリ/角型タライジャンボ120]は販売時期により縁穴の数とサイズが違う。1個目は対角線上の縁穴がなく、2個目は対角線上の縁穴がやや大きく、[カインズ/トンネル支柱φ11mmx2100mm]が地面に刺すことが出来るが、現行の3個目は縁穴が[カインズ/トンネル支柱φ11mmx2100mm]のでっぱりが通らない。左は前期型(2個目に購入)、右は現行型(3個目に購入)に[カインズ/トンネル支柱φ11mmx2100mm]を通した写真だが高さが結構変わってしまう。

[カインズ/トンネル支柱φ11mmx1800mm]は[コメリ/角型タライジャンボ120]の縁穴に途中まではセットできるが、縁高部分までセットすることはできない。

[カインズ/トンネル支柱φ11mmx1800mm]は[コメリ/角型タライジャンボ80]には丁度良くセットすることが可能。


 

炎天除け含むオススメ外鉢構成がコチラ。日除けスペースを広く取りたい場合はスダレをサイズアップしても良い。



 

≫内鉢

内鉢サイズは植付する水草の成長具合によって選択する。一般的に内鉢サイズが大きいほど、用土量も増え生育し易い。我家で実際に使用している内鉢は以下の通りだが、ホームセンターや100円ショップのプランターやボックス容器なら大体大丈夫。但しボックス容器で代用する場合は強度不足だと睡蓮の成長に伴い容器が歪む可能性あり。

No. 内鉢 サイズ(cm) 容量(L)
3 [セリア/FL植木鉢6号] 18.5*18.5*13(h) 3
4 [セリア/フルーラプランター] 29.6*13.2*12.6(h) 3
5 [セリア/フタ付きプレーンボックス] 27.5*19*12(h) 4
8 [セリア/大鉢角型] 32.5*24.5*13.4(h) 6
10 [大和/ガレージコンテナ45型] 52.3*20*17(h) 8

※容量は大まかな目安

小型且つ根茎が伸長し難い耐寒性姫睡蓮“ヘルボラ”や熱帯睡蓮“ムラサキシキブ”なら丸形の[セリア/FL植木鉢6号]でも大丈夫だが、中型以上且つ根茎がやや伸長する耐寒性睡蓮“マンカラウボン”なら[セリア/フルーラプランター]、[セリア/大鉢角型]、大型で根茎が伸長する耐寒性睡蓮“ペリーズダブルイエロー”なら最低でも[大和/ガレージコンテナ45型]が必要と思われる。

[ナフコ/角型タライジャンボ120]と各内鉢のレイアウトイメージがコチラ。

2024年度の睡蓮種の我家の内鉢構成はコチラ。

内鉢 サイズ(cm) 容量(L) 睡蓮
[セリア/FL植木鉢6号] 18.5*18.5*13(h) 3 サイアムパール2/ヘルボラ/ムラサキシキブ
[セリア/フルーラプランター] 29.6*13.2*12.6(h) 3 マンカラウボン/ローズマグノリア/マニーサイアム
[セリア/フタ付きプレーンボックス] 27.5*19*12(h) 4 タイニムファ
[セリア/大鉢角型] 32.5*24.5*13.4(h) 6 アウグキー/フェイマクドナルド
[大和/ガレージコンテナ45型] 52.3*20*17(h) 8 ラズベリー/ペリーズファイヤーオパール/ペリーズダブルイエロー/グレッグズオレンジビューティー

■水草

主役となる水草は何といっても睡蓮。その中でも日照時間の短い我家のベランダでの開花実績を誇る耐寒性睡蓮“マンカラウボン”と熱帯睡蓮“ムラサキシキブ”が特にオススメ。どちらともネットやオークション等で入手は容易。

≫睡蓮

①温帯睡蓮(耐寒性睡蓮)
耐寒性睡蓮は花上りはやや悪いが耐寒性があり屋外越冬も可能で多種多様な品種があるのが特徴。根茎が横に伸びるタイプが多く、横長プランターを用意する必要がある。赤色調、黄色調、白色調の品種はあるが紫色調はない。

≫今季導入品種
・グレッグズオレンジビューティー

・ペリーズダブル イエロー
・ペリーズファイヤー オパール
・ヘルボラ
・マニーサイアム
・マンカラウボン
・ラズベリー
・ローズマグノリア


 

②熱帯睡蓮
熱帯睡蓮は花上りが良いが耐寒性が無く屋外越冬が難しい。根茎は横に伸びないタイプが多く比較的小さい内鉢でも育成可能。温帯睡蓮にない紫色調の品種も選ぶことが出来き匂いがするものも多い。赤色調、黄色調、白色調の品種に加え紫色調もある。

≫今季導入品種
・タイニムファ

・キングオブサイアム
・ムラサキシキブ


 

②亜属間交配種睡蓮
耐寒性睡蓮と熱帯睡蓮の交配種。耐寒性を維持しつつ、熱帯睡蓮独特の紫色調の品種も選ぶことが出来る。

≫今季導入品種
・アウグキー

・サイアム パープル2
・フェイマクドナルド

≫その他水草

睡蓮の水上葉が茂り、花芽ができ、開花に至るまで1~2か月程時間を要するため、それまにビオトープ水槽を彩る花の咲く水草を1点もしくは2点導入すると良い。また、成長が早く、ワイドに成長し他の水草に根が絡む“ウォーターコイン”や“ウォーターミント”はトリミング頻度も高くなるので個人的にはオススメしない。

≫浮葉植物
・ガガブタ

≫抽水植物
・ロタラロトンジフォリア
・ウォーターバコパ
・ミズトクサ
・ナガバオモダカ

≫湿生植物
・なし

≫浮遊植物
・サルビニア ククラータ
・マツモ

花が咲く水草が複数あるとシーズン毎の楽しみが増える。以下は今季開花した睡蓮全11種♪

■生体

生体の主役は“メダカ”。遊泳域が上層で上見が楽しめること、ボウフラを食べてくれること、何より品種改良が進んでおり、多種多様なメダカを選択することが出来るのが魅力。タンクメイトは遊泳域が低層の“ドジョウ”、コケ取り要員且つ繁殖が容易な“ミナミヌマエビ”が難易度が低めだが別になくても良い。

・メダカ
・キンギョ
・タナゴ
・ドジョウ
・タニシ
・ミナミヌマエビ




 

■伯父用睡蓮ビオトープ構想

伯父の家は庭が広いため120Lタライの配置には問題がないため外鉢は[ナフコ/角型タライジャンボ120]を選択。内鉢はセリアで購入できる[セリア/フルーラプランター][セリア/FL植木鉢6号]で用土及び元肥はデフォルト構成。主役の睡蓮は水上葉の立ち上がりが早く花上りの良い中型種耐寒性睡蓮“マンカラウボン”と小型熱帯睡蓮“ムラサキシキブ”の2点。何れも日照時間の短い小生のベランダにおける開花実績あり。睡蓮が成長するまでの水槽を彩る水草には花が咲く抽水植物“ロタラロトンジフォリア”“ナガバオモダカ”、浮草は浮遊植物“サルビニアククラータ”“マツモ”を選択したが必須ではない。生体はメダカで品種は二大改良メダカの楊貴妃と幹之を5匹ずつ計10匹とミナミヌマエビ。

【外鉢】※炎天仕様
・[ナフコ/角型タライジャンボ120]

【内鉢】
・[セリア/フルーラプランター]
・[セリア/FL植木鉢6号]*3

【炎天対策】
・[カインズ/トンネル支柱φ11mmx2100mm]*2
・[カインズ/クロスパッチン11x11mm5個入]*1
・[ダイソー/いぶしすだれ90x74cm]*1

【オーバーフロー対策】
・[コメット/交換用高密度マット]

【用土&元肥】
・[カインズ/芝の目土14L]※肥料なし
・[カインズ/赤玉土小粒14L]
・[カインズ/かる~い培養土5L]
・[ハイポネックス/マグァンプK大粒]
・[花ごころ/グリーンそだちEX]

【水草】
・耐寒性睡蓮“マンカラウボン”
・熱帯睡蓮“ムラサキシキブ”
(・抽水植物“ロタラロトンジフォリア”“ナガバオモダカ”)
(・浮遊植物“サルビニアククラータ”“マツモ”)

【生体】
・楊貴妃メダカ5匹+幹之メダカ5匹
・ミナミヌマエビ

外鉢は[ナフコ/角型タライジャンボ120]。容量120L及びライトグレーカラーで真夏の水温上昇が抑えられる。

内鉢は睡蓮の種類によって選択。

[カインズ/トンネル支柱φ11mmx2100mm]2本を[ナフコ/角型タライジャンボ120]の四隅縁穴にクロスさせるように差し込むことにより、スダレを掛け易く真夏の炎天対策が可能。

[コメット/交換用高密度マット]を切ってホースを引っ掛ける箇所に挟むだけでオーバーフロー対策が可能。

■まとめ

今回伯父へのビオトープ水槽のコンセプトはコチラ。睡蓮ビオトープ愛好家になってくれることを望む。

・花上りの良い耐寒性睡蓮“マンカラウボン”と熱帯睡蓮“ムラサキシキブ”でまずは睡蓮の開花を楽しんでもらう
・花が咲く抽水植物“ロタラロトンジフォリア”“ナガバオモダカ”も追加し開花を楽しんでもらう
・浮遊植物“サルビニアククラータ”“マツモ”にてビオトープ感を演出
・メダカは二大改良品種の楊貴妃と幹之を投入し、上見を楽しんでもらう
・タンクメイトは“ミナミヌマエビ”でコミカルな動き及び繁殖を楽しんでもらう


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