[ミニマルワークス/シェルターGH] ~解剖の儀~

TPUドアは冬もしくは雨キャンで幕内に居ながら雨や冷気の影響を受けずに外の景観を楽しむことが出来るため、前々から気になっていた機能。ファミキャン主幕の[オガワ/ロッジシェルターⅡ]にTPUドアをDIYしようと思い、ミシン迄借りてきたが再生までに至らず。ソロキャン主幕の[オガワ/タッソTC]も然り。TPUドアに憧れてファミキャン幕[WIWO/ヤクドーム460]も補完したが未だオプションのTPUドアは未発売( ノД`)シクシク…。と言っている間に、TPUドアオプションがあり、天窓メッシュを備えて且つ、ポリコットン生地のソロオコモリ幕が発売されていた!…その名はも[ミニマルワークス/シェルターGH]!大ヒット幕[ミニマルワークス/シェルターG]のポリコットン生地モデル。Hは“ヘリテージ”の頭文字。今回は派生モデルの比較も含めて解剖検討していく。

■シェルターGHの仕様

“シェルターGH”の仕様はコチラ。カラーは3色展開で何れもカッコいいが、すでに所有のタープと併せるのと幕内の明るさを考えると“タン”一択だが、グリーン系のオリーブ、グレー系のチャコールも捨てがたい。

ブランド名:MINIMAL WORKS
ブランド名(カナ):ミニマルワークス
ウォール構造(シングル/ダブル):シングル
テントの種類:ドーム型テント
カラー:オリーブ/タン/チャコール
最大収容人数:4
UVカット:無
本体奥行:300cm
本体横幅:350cm
本体高さ:170cm
本体重量:11.2kg
サイズ情報:使用時:(約)幅350*奥行300*高さ170cm
収納時:(約)直径25*奥行72cm


 

■“シェルターG”との違い

“シェルターGH”と“シェルターG”の違いは以下の通り。主な違いは生地によるもので、重量増によりポールも太い仕様に変更されている。GHはGに比べ結露の発生がし難く、火の粉による穴あきリスクが少ない反面、重量増で取り回しが悪く、完全乾燥しないとカビ発生リスクが高い。結露が発生し易く乾燥している冬キャンにはもってこいの幕である。

【外寸】同じ
【収納寸】GHは72*25*25(h)cm、Gは65*25*25(h)cmと全幅がGHの方が7cm長い
【フライ生地】GHはポリコットン生地、Gはナイロン
【TPUルーフフライ】両方ともポリエステル生地だがサイズがGHの方が大きい
【ポール】本数は同じ4本だがフレームポール(長)はGHの方が太い
【重量】GHは11.2kgとGの6.4kgに比べGHの方が+4.8kgで1.8倍重い
【価格】
・本体はGHは154,000円、Gの125,400円に比べ28,600円高い
・ベスティブルはGHは57,200円、Gの46,200円に比べ11,000円高い

“シェルターGH”と“シェルターG”の仕様及びオプション比較がコチラ。

[メーカー名/製品名] [ミニマルワークス/シェルターGH] [ミニマルワークス/シェルターG]
外寸(cm) 350*300*170(h)
CUBE値(m3) 18
収納寸(cm) 72*25*25(h) 65*25*25(h)
重量(kg) 11.2 6.4
生地 ポリコットン ナイロン
フレーム(本) 4
付属ペグ(本) 8
付属ガイロープ(本) 6
開放面(枚) 2
フロント/リアメッシュ △(別売)
天窓メッシュ 1
サイドメッシュ 0
ベンチレーター(場所/個) 4
グランドシート ×
TPUルーフフライ
スカート
吊り下げインナー ×
TPUドア △(別売)
ベスティブル △(別売)
キャノピーアレンジ ×
本体 ¥154,000 ¥125,400
TPUドア ¥20,900
MESHドア ¥9,900
ベスティブル ¥57,200 ¥46,200
ベスティブル用TPUドア ¥12,100
ベスティブル用MESHドア ¥9,350

※正確な値は各製品HPを参照のこと
※CUBU値は全幅*奥行*全高の掛値で幕内空間の目安として個人的に用いている数値

冬のソロキャンと小生のキャンプスタイルを鑑みるとオプションは本体用TPUドア1枚、本体用MESHドア1枚が必須、3シーズン使用ならMESHドアは2枚欲しいかな。ベスティブルは魅力的だがデュオキャンをしない限り必要ない。

≫“シェルターGH”最小構成案
・シェルターGH本体(154,000円)
・本体用TPUドア(20,900円)
・本体用MESHドア(9,900円)
総計:18,4800円






■“The Crab Nest G2000 TC”との違い

コピーオマージュ品の[ドキキャンプ/The Crab Nest G2000 TC]との仕様比較。バージョンアップ版が2023年8月末発表予定なので仕様は変更になるかもしれない。圧倒的に安いのと、G2000ではシェルターGにない吊り下げインターテントのオプション等もあり魅力的ではある。耐水性、ファスナーやオプションのフィット感等が本家とどの位違うもののなのかが気になるところ。ちなみに購入のレビューを観る限り発注から発送到着までの期間が不確定で到着までドキドキするが、製品自体のクオリティは価格の割に高いみたい。当たり外れも含めてドキドキしそう…

[メーカー名/製品名] [ミニマルワークス/シェルターGH] [ドキキャンプ/The Crab Nest G2000 TC]
外寸(cm) 350*300*170(h)
CUBE値(m3) 18
収納寸(cm) 72*25*25(h) 65*25*25(h)
重量(kg) 11.2 9.5
生地 ポリコットン
フレーム(本) 4
付属ペグ(本) 8 12
付属ガイロープ(本) 6
開放面(枚) 2
フロントリアメッシュ 2(別売) 1+1(別売)
天窓メッシュ 1
サイドメッシュ 0
ベンチレーター(場所/個) 4
グランドシート × △(別売)
TPUルーフフライ
スカート
吊り下げインナー × △(別売)
TPUドア △(別売)
ベスティブル △(別売) ×(発売予定?)
キャノピーアレンジ ×
本体 ¥154,000 ¥64,900
TPUドア ¥20,900 ¥3,899
MESHドア ¥9,900 ¥2,699
ベスティブル/拡張用テント ¥57,200
ベスティブル用TPUドア ¥12,100
ベスティブル用MESHドア ¥9,350
フロアマット   ¥3,499

※正確な値は各製品HPを参照のこと
※CUBU値は全幅*奥行*全高の掛値で幕内空間の目安として個人的に用いている数値

各幕の最小構成での価格を比較してみると本家“シェルターGH”が184,800円、[ドキキャンプ/The Crab Nest G2000 TC]が67,399円で実に本家の36%で入手できる。クオリティが本家の90%程度だとするならば購入する意義はあるかな。

≫“シェルターGH”最小構成案
・“シェルターGH”本体(154,000円)
・本体用TPUドア(20,900円)
・本体用MESHドア(9,900円)
総計:18,4800円

≫“The Crab Nest G2000 TC”最小構成案
・“The Crab Nest G2000 TC”本体(63,500円)
・本体用TPUドア(3,899円)
総計:67,399円
※MESHドアはデフォルトで1枚付属

※正確な値は各製品HPを参照のこと

■“G moon tent”との違い

[TOMOUNT/G moon tent]を含めた4幕比較。G2000シリーズは8月末にXバージョンに変更になる予定でデザインも変更になるようなのでそれを含めてどのモデルを補完するか否かを改めて検討する予定。
※雨天時でも常時喚起できる装備を“ベンチレーター”、雨天時クローズしないと雨が侵入する装備を“メッシュパネル”と定義

[メーカー名/製品名] [ミニマルワークス/シェルターG] [TOMOUNT/G moon tent] [ミニマルワークス/シェルターGH] [ドキキャンプ/The Crab Nest G2000 TC]
外寸(cm) 350*300*170(h) 350*290*175(h) 350*300*170(h) 350*300*170(h)
CUBE値(m3) 18
収納寸(cm) 65*25*25(h) 65*28*23(h) 72*25*25(h) 65*25*25(h)
重量(kg) 6.4 9.7 11.2 9.5
生地 ナイロン ポリコットン
フレーム(本) 4
付属ペグ(本) 8 9 8 8
付属ガイロープ(本) 6
開放面(枚) 2
フロントリアメッシュ 2(別売) 1+1(別売) 2(別売) 1+1(別売)
天窓メッシュ 1
サイドメッシュ 0 6 0 0
ベンチレーター(場所/個) 4 0 4 4
グランドシート × × △(別売)
TPUルーフフライ
スカート
吊り下げインナー × × × △(別売)
TPUドア △(別売) △(別売 △(別売)
ベスティブル △(別売) × △(別売) ×
キャノピーアレンジ ×
本体価格 ¥125,400 ¥54,800 ¥154,000 ¥64,900
TPUドア ¥20,900 ¥3,500 ¥20,900 ¥3,899
MESHドア ¥9,900 ¥2,600 ¥9,900 ¥2,699
ベスティブル ¥46,200   ¥57,200  
ベスティブル用TPUドア ¥12,100   ¥12,100  
ベスティブル用MESHドア ¥9,350   ¥9,350  
フロアマット       ¥3,499

※正確な値は各製品HPを参照のこと
※CUBU値は全幅*奥行*全高の掛値で幕内空間の目安として個人的に用いている数値



3幕の最小構成案による価格比較がコチラ。“シェルターGH”は非常に魅力的な幕に仕上がっているがやはり価格が高くおいそれと試せるような額でない(>_<)。“The Crab Nest G2000 TC”の正確な仕様とデザインが8月末に発表されるためそちらも見極めたい。“G moon tent”はサイドメッシュパネルが6つ付いており幕内からの視界がすこぶる良く、肝機能も高いが、雨天時はクローズする必要があり換気能が著しく低下するのが気になるところ。TCバージョンも出たら良いのだけれど。その他、ポリコットン生地のパチモンオマージュ品が出ることを期待するなら、まずは“G moon tent”でフレームワークは幕内レアウト、冬キャンの結露発生等を検証するのもアリかも。

≫“シェルターGH”最小構成案
・“シェルターGH”本体(154,000円)
・本体用TPUドア(20,900円)
・本体用MESHドア(9,900円)
総計:18,4800円

≫“The Crab Nest G2000 TC”最小構成案
・“The Crab Nest G2000 TC”本体(64,900円)
・本体用TPUドア(3,899円)
総計:68,799円
※MESHドアはデフォルトで1枚付属
※※予約購入で15%引

≫“G moon tent”最小構成案
・“G moon tent”本体(54,800円)
総計:54,800円
※MESHドア及びTPUドアはデフォルトで1枚ずつ付属


 

■所有ソロ幕との比較

現在、冬のソロキャン主幕は[オガワ/タッソTC]、3シーズンのソロキャン主幕は[ノースフェイス/エバベース6]を出動している。[オガワ/タッソTC]の代替としてなら[ミニマルワークス/シェルターGH]、[THE NORTH FACE/エバベース6]の代替なら[TOMOUNT/G moon tent]となる。

[メーカー名/製品名] [THE NORTH FACE/エバベース6] [TOMOUNT/G moon tent] [ミニマルワークス/シェルターGH] [オガワ/タッソTC]
タイプ ドーム型 ドーム型 ドーム型 ティピー型
外寸(cm) 310*310*200(h) 350*290*175(h) 350*300*170(h) 415*370*250(h)
CUBE値(予想体積m3) 19(15) 18(14) 18(14) 38(13)
収納寸(cm) 68*25*25(h) 65*28*23(h) 72*25*25(h) 74*24*24(h)
重量(kg) 9.55 9.7 11.2 10.5
生地 ポリエステル ナイロン ポリコットン ポリコットン
フレーム(本) 5 4 4 1
付属ペグ(本) 12 9 8 16
付属ガイロープ(本) 4 6 6 8
開放面(枚) 4 2 2 2
フロントリアメッシュ 0 1+1(別売) 2(別売) 1(別売)
天窓メッシュ 0 1 1 0
サイドメッシュ 0 6 0 0
ベンチレーター(場所/個) 2 0 4 1
グランドシート × ×
TPUルーフフライ × ×
スカート
吊り下げインナー × ×
TPUドア × ×
ベスティブル/
メッシュスクリーン
× × △(別売)
キャノピーアレンジ × ×
本体 ¥66,500 ¥54,800 ¥154,000 ¥71,500
TPUドア   ¥3,500 ¥20,900  
MESHドア   ¥2,600 ¥9,900  
ベスティブル/
メッシュスクリーン
    ¥57,200 ¥20,900
ベスティブル用TPUドア     ¥12,100  
ベスティブル用MESHドア     ¥9,350  

※正確な値は各製品HPを参照のこと
※CUBU値は全幅*奥行*全高の掛値で幕内空間の目安として個人的に用いている数値




所有のドーム型テント[ノースフェイス/エバベース6]及び[スモア/ディーパー]のフレームワークの違いがコチラ。[ミニマルワークス/シェルターGH]は魚座型にメインポールを通し、サブポールにて前後面入口パネル設ける独特のフレームワークとなる。また、ポールをスリーブに通すのはメインフレームの2本だけでサブフレームはフック固定のみなので雨天時の負荷は少ないと思われる。3幕共ほぼ同等な幕内空間を有するが、一番時短設営できるのはフレームワークがシンプルな[スモア/ディーパー]だがペグダウン数が多いので総行程に掛かる時間はほぼ同等と思われる。



■結果

[ミニマルワークス/シェルターGH]を軸に所有幕と派生幕を比較して思ふことは以下の通り。

◇TPUドアの利点としては3シーズンなら雨天時でも幕内から外の景色が見れること、冬シーズンなら暖気を逃がさずに幕内から外の景色が見れることの2点。特に冬場に石油ストーブの暖気を逃がさないのは小生のキャンプスタイルに置いてニーズが高い。

◇MESHドアの利点は通気性をある程度保ちつつ幕内から外の景色が見れること。その実、メッシュは風の抜けが意外に悪いので真夏だと微風でも幕内はかなり暑くなるため、オープン仕様にすることが多く小生のキャンプスタイルにおいてのニーズは少ない。

◇小生のソロキャンのメインシーズンは“冬”であるため、虫の影響は少ない。むしろ問題となるのは幕内外の温度差による結露そして、焚火の火の粉による穴あきリスクの2点。

◇自ずと冬のソロキャンはポリコットン生地の[オガワ/タッソTC]の出番が多くなる。[THE NORTH FACE/エバベース6]を冬のソロキャンで使ったことがあるが、ベンチレーターが大きく暖房効率が悪いのと、火の粉による穴あきリスクを考慮する必要があり使い勝手は[オガワ/タッソTC]の方が良い。

◇暖房機器の必要性の低い3シーズンのソロキャンだとやはり、ペグダウン無で自立可能なドーム型テント[THE NORTH FACE/エバベース6]の使い勝手が良い。[THE NORTH FACE/エバベース6]は四方四面がオープンになりかなり風の抜けが良いのが強み。メッシュパネルやTPUドアは無いため、雨天時等の天候不良時にはクローズする必要があり幕内から外の景色を観ることが出来ない。

◇過去の冬キャンで朝方の滴る程の結露に悩まされた経験から考えるとポリコットン生地の[ミニマルワークス/シェルターGH]が良いが、ポリコットン生地であるが故の重量増によりポールがナイロンモデルよりも太く取り回しが悪いのがやや気になるところ。ドーム型テントのペグダウンなしで自立でき、区画レイアウトが容易なことを考えると軽量ナイロン生地の[TOMOUNT/G moon tent]の方が使い勝手が良いかもしれない。

改めて小生のソロキャンの現状を整理してみる。

①オコモリ派
②冬キャン派
③冬キャンは石油ストーブをインストール
④TPUドアのニーズが高い
⑤メッシュドアのニーズは低い
⑥冬キャンの結露は避けたい
⑦冬キャンの火の粉被害は避けたい
⑧ソロキャンは天気予報が悪い場合はキャンセルすることが多い
⑨冬のソロキャン主幕としてポリコットン生地のタッソTCがある
⑩冬のソロキャンで雨リスクがある場合はエバベース6を出動するが暖房効率が悪い

それを踏まえて2幕の利点難点とニーズを纏めてみたのがコチラ。雨天時の出動に主眼を置くなら“G moon tent”、冬キャンの出動に主眼を置くなら“シェルターGH”なのだがこれまた中々判断が難しい!

[TOMOUNT/G moon tent] [ミニマルワークス/シェルターGH]
利点 ○耐水性が高い
○取り回しが良い
○カビが発生し難い
○価格が安い
○事後メンテナンスが用意
○結露発生が少ない
○火の粉による穴あきリスクが低い
○質感が良い
難点 ×結露が発生し易い
×火の粉による穴あきリスクが高い
×耐水性が低い
×カビが発生し易い
×事後メンテナンスが面倒
×価格が高い
ニーズ ・オールシーズン使いたい
・雨リスクのある日に使いたい
・事後メンテナンスの負荷を下げたい
・冬メインで使いたい
・結露発生を少ないくしたい
・火の粉による穴あきリスクを避けたい




 

■まとめ

個人的には[ミニマルワークス/シェルターGH]がイチオシなのだが如何せん初期投入費用が高すぎる(>_<)。8月末に発売予定の[ドキキャンプ/The Crab Nest G2000 TC]を待ち自分のキャンプスタイルにマッチした幕を選出したい。


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