[Naturehike/Dune10.9] ～“ヴォ―ゲルMID”＆“ボーデンMID BF”比較検討編～

冬のソロキャンオコモリ幕として使用している[Naturehike/Dune10.9] の代替候補のデザインフルな2幕について比較検討してみる。[Ratelworks/ボーデンMID BF]は執筆時、完売且つ再販予定なし…人気幕なので再販を期待したい。

■[Naturehike/Dune10.9]の仕様

[Naturehike/Dune10.9]の基本仕様がコチラ。フレーム3本で構成されたドーム型テント。3人用となっているが小生はソロオコモリ幕としてカンガルースタイルにて使用。四方四面がフルオープン、フルメッシュ仕様になり、フロントパネルも2段階拡張にて立ち上げることが出来るためタープレス運用が可能。また別売TPUドアオプションを装着することにより幕内暖気を維持しながら幕内から外の景観を得ることが可能。

※正確な仕様は各製品HPを参照のこと

 

■3幕概要比較

仕様やパネルアレンジ、機能等の3幕比較。150Dブラッシュファイバー生地を採用している[Ratelworks/ボーデンMID BF]は質感と遮光性が高いが総重量も18.5kgと最も重く取り回しが悪い。

※画像はメーカーHPより引用

 

≫仕様比較

3幕の仕様比較がコチラ。

メーカー名	Ratelworks	Naturehike	Ratelworks
テント名	ヴォ―ゲルMID	Dune10.9	ボーデンMID BF
タイプ	ドーム	ドーム	ドーム
カラー	グレージュ	からし色	グレージュ
生地	68Dリップストップポリエステル	75Dポリエステル	150Dブラッシュファイバー
耐水圧(mm)	3,000	3,000	5,000
外寸(cm)	400*350*195(h)	420*260*200(h)	445*300*180(h)
外寸乗値(m3)	27	22	24
幕内体積(m3)	18	18	19
フロア面積(m2)	11.6	10.9	13.4
インナー寸(cm)	480*315*210(h) ※グランドシート+フライドアの併用でインナー調に使用した場合	240*200*185(h)	300*205*175(h)
インナー面積(m2)	7	5	6
インナー寸乗値(m3)	32	9	11
収納寸(cm)	70*40*30(h)	73*35*25(h)	76*40*38(h)
収納寸乗値(m3)	8.4	6.4	11.6
総重量(kg)	12.2※ツールバック含まず	11.8	18.5※ツールバック含まず
ポール数(本)	5	3	7
対応人数(人)	2～3	2～3	3～4
付属ペグ(本)	25	16	18
張り網(本）	5	10※内6本はフライ常備	8
ペグハンマー	付属	なし	付属
参考価格	¥79,900	¥65,990	¥79,800

※正確な仕様は各製品HPを参照のこと

-生地
[Ratelworks/ヴォ―ゲルMID]はリップストップ生地だが68Dと薄いため遮光性は3幕の中で最低、[Naturehike/Dune10.9]も75Dなのでそこまで遮光性が高いとは言えない。[Ratelworks/ボーデンMID BF]は遮光コーティング処理に加え150Dと厚いため最も遮光性が高い。耐水圧はBF生地の方が高いが実使用下では3,000も5,000mmも大差ないと思われる。

-展開サイズ
予測幕内空間は19m3の[Ratelworks/ボーデンMID BF]が最大、[Ratelworks/ヴォ―ゲルMID]と[Naturehike/Dune10.9]は18m3とほぼ同等。予測フロア面積は13.4m2の[Ratelworks/ボーデンMID BF]が最大、次いで11.6m2の[Ratelworks/ヴォ―ゲルMID]、最小は10.9m2の[Naturehike/Dune10.9]。

-インナーサイズ
[Naturehike/Dune10.9]はインナー奥行が200cmと短く幕壁な内側に傾いているためハイコットを縦方向に配置すると干渉してしまう。後、10cm長ければレイアウトがし易くトリオキャンプでも使えるのに残念。

[Ratelworks/ヴォ―ゲルMID]はインナーレスだがバスタブ型のグランドシートとフライドアを装着することによりインナーテント調に使用することが出来きインナー寸も480*315*210(h)と広大だがその分前室が狭い。インナーフロアは[Ratelworks/ヴォ―ゲルMID]が最も広く、次いで[Ratelworks/ボーデンMID BF]、最小は[Naturehike/Dune10.9]となる。

[Ratelworks/ヴォ―ゲルMID]はやや大き目なインフレーターマット[THERMAREST/ベースキャンプL]が4枚レイアウト可能。3人家族の我家の場合は[THERMAREST/ベースキャンプL]2枚とハイコット仕様の[Helinox/コットワンコンバーチブル]を配置することが出来る。[Naturehike/Dune10.9]は[THERMAREST/ベースキャンプL]なら3枚レイアウトすることが可能だが、ハイコットは幕壁が干渉してしまい配置は出来るが膨らんでしまうのと身長175cmの小生だと脚先が幕壁に触れるために実用的ではない。[Ratelworks/ボーデンMID BF]は奥行が205cmと[Naturehike/Dune10.9]より+5cm長い上に後面が外側に傾斜しているためハイコットもジャストで配置できる可能性が高い（若干干渉するかも）。

-重量
重量はBF生地採用の[Ratelworks/ボーデンMID BF]が最も重い18.5kg、次いで12.2kgの[Ratelworks/ヴォ―ゲルMID]、最軽量は11.8kgの[Naturehike/Dune10.9]だが、[Ratelworks/ヴォ―ゲルMID]はフライドア、メッシュドア、グランドシートを含みインナーを含まず、[Naturehike/Dune10.9]はグランドシート、トップルーフ、インナーを含む重量なので実質の重量はほぼ同等程度と思われる。

≫パネルアレンジ比較

パネルアレンジ比較。[Naturehike/Dune10.9]と[Ratelworks/ボーデンMID BF]は前室を装着しなければ四方四面からの出入りが可能。オートサイトでテントの後ろ側に車がある場合は後方から出入りが出来ると荷物の移動が楽。[Ratelworks/ヴォ―ゲルMID]はフロントパネルを上げると一方前面のみから出入りが可能で後面からの移動は出来ない。3幕共四方四面メッシュ仕様に変更可能、加えて[Ratelworks/ボーデンMID BF]は前室側面がハーフメッシュ仕様にも出来るので遮光しつつの換気が可能で嬉しい機能。

メーカー名	Ratelworks	Naturehike	Ratelworks
テント名	ヴォ―ゲルMID	Dune10.9	ボーデンMID BF
オープン出入口	1面※フロントパネルをクローズ仕様にした際は3面	4面	4面
メッシュ	4面	4面	4面
ハーフメッシュ	なし	なし	2面※側面
キャノピー立上げ	1面	2面※前面は2段階拡張式	3面

※正確な仕様は各製品HPを参照のこと

[Naturehike/Dune10.9]のフルクローズ仕様。

[Naturehike/Dune10.9]のフルメッシュ仕様。

[Naturehike/Dune10.9]のフルオープン仕様。寝室側側面はメッシュのみでオープン仕様にはできない。

[Naturehike/Dune10.9]の前面キャノピーは2段階拡張が可能。後面も立上げ可能だが使う機会はない。

[Ratelworks/ヴォ―ゲルMID]のキャノピーは前面のみだが大きく開き且つアレンジも可能。

[Ratelworks/ボーデンMID BF]は前室3面のキャノピー他立ち上げが可能。

パネルアレンジはそれぞれ特徴的で甲乙付け難い。

≫フレームワーク比較

[Ratelworks/ヴォ―ゲルMID]は魚座フレーム、[Naturehike/Dune10.9]と[Ratelworks/ボーデンMID BF]はクロスフレームをベースとしたドーム型テント。ポール本数は3本の[Naturehike/Dune10.9]が最も少なく、次いで5本の[Ratelworks/ヴォ―ゲルMID]、7本の[Ratelworks/ボーデンMID BF]となる。ポールがクロスしている箇所が多いほど耐風性が強い傾向があると考えると[Ratelworks/ヴォ―ゲルMID]と[Ratelworks/ボーデンMID BF]は耐風性が高いことが伺える。

メーカー名	Ratelworks	Naturehike	Ratelworks
テント名	ヴォ―ゲルMID	Dune10.9	ボーデンMID BF
ポール総本数	5	3	7
後面からの出入り	不可	可	可
ベースフレーム	魚座フレーム	クロスフレーム	クロスフレーム
ポールをスリーブに通す行程	4本	3本	5本
フルクローズ時ボトムペグ	8本	8本	10本
ストームガード	5本	6本	8本
ポールクロス箇所	7ヵ所	1ヵ所	8ヵ所
ペグなし自立	可	可	可

※正確な仕様は各製品HPを参照のこと

フレーム数も少なくフレームワークが一番シンプルなのは[Naturehike/Dune10.9]、[Ratelworks/ヴォ―ゲルMID]は魚座フレームを立ち上げる際、[Ratelworks/ボーデンMID BF]は稜線部の長いポールをスリーブに通す行程がやや難解と思われる。

フルクローズ時のペグダウン数が最も少ないのは13本の[Ratelworks/ヴォ―ゲルMID]、次いで14本の[Naturehike/Dune10.9]、最も多いのが18本の[Ratelworks/ボーデンMID BF]。

フレームワークとフライ重量、ペグダウン数を鑑みると設営のし易さ順は下記の通り。

≫機能比較

ベンチレーター、煙突穴、TPUドア、スカート等の各種機能装備の比較がコチラ。

メーカー名	Ratelworks	Naturehike	Ratelworks
テント名	ヴォ―ゲルMID	Dune10.9	ボーデンMID BF
常時開放ベンチレーター	3個	2個	4個
グランドシート	あり	別売OP	あり
ルーフプロテクタ	あり	別売OP	あり
上面メッシュ	あり	なし	なし
煙突穴	あり	あり	なし
庇	あり	なし	あり
TPU	別売OP	別売OP	なし
スカート	あり※内外	あり	あり
スカートペグダウン	可能※巻き上げ可	不可	可能※巻き上げ可
ポケット	あり※フライ&メッシュドア	なし	あり※インナー

※正確な仕様は各製品HPを参照のこと

[Naturehike/Dune10.9]の2つの常時開放型ベンチレーター。

[Naturehike/Dune10.9]のスカートは付いているがペグダウンできないため強風時にバタついて煩い。

薪ストーブ未所有の小生にとっては無用な[Naturehike/Dune10.9]の煙突穴。

[Naturehike/Dune10.9]別売OPのTPUドア。

 

[Naturehike/Dune10.9]別売OPのTOPルーフ。

 

[Naturehike/Dune10.9]別売OPのフロア全面用のグランドシート。

 

≫暖房能比較

[HOPWINN/キャンプ扇風機10000mAh]を上部に設置した条件における[Naturehike/Dune10.9]のフルクローズ仕様時（ベンチレーター常時開放）の火力2.5KWのフジカハイペットの外気温からの暖房能の目安はルーフフライありで+20℃、ルーフフライなしで+15℃を元に2幕の暖房能を予測してみた表がコチラ。[Ratelworks/ヴォ―ゲルMID]はフライドア装着により最大暖房能+26℃を期待できる。

 

メーカー名	Ratelworks	Naturehike	Ratelworks
テント名	ヴォ―ゲルMID	Dune10.9	ボーデンMID BF
外寸	400*350*195(h)cm	420*260*200(h)cm	445*300*180(h)cm
フロア面積(m2)	11.6(8.2） ※(  )はフライドア装着時	10.9	13.4
幕内体積(m3)	18(14) ※(  )はフライドア装着時	18	19
暖房能（ルーフあり）	+20℃(+26℃）※予測	+20℃	+19℃※予測
暖房能（ルーフなし）	+15℃(+20℃）※予測	+15℃	+14℃※予測

※予測幕内体積はフロア面積*全高に0.8を乗じた数値を使用
※※暖房能は気象条件で異なる可能性あり、幕内での暖房機器仕様は自己責任下で使用

 

[Ratelworks/ヴォ―ゲルMID]はフライドアを装着することによりで幕内に仕切り設けることが出来るため幕内区間を2つに分けることが出来る。

■他幕イメージ比較

≫vs [Ratelworks/ヴォ―ゲルMID]

[Ratelworks/ヴォ―ゲルMID]は魚座フレームをベースとしたドーム型テントでキャノピーを大きく立ち上げることが出来き且つアレンジも可能でタープレス運用が実現できる。10枚のメッシュパネルを有し換気幅が広く幕内からの視界も確保することが出来る。インナーテントは付属していないがフライドアとバスタブ型グランドシートと併せてインナーテント風に使用することが可能。

上空視点におけるフロアサイズはほぼ同等。

前面視点では[Ratelworks/ヴォ―ゲルMID]の方が広く、側面視点だと[Naturehike/Dune10.9]の方が前室部分の幕内空間が広い。

※イメージは外寸値を元に作図、実物と相違がある可能性あり

 

≫vs [Ratelworks/ボーデンMID BF]

[Ratelworks/ボーデンMID BF]はクロスフレームをベースとしたドーム型テントで前後面をアーチポールで拡張し広い前室スペースを確保している。BF生地採用でコットンライクな質感と高い遮光性を有しているがその分重量が重い。四方四面がオープン及びメッシュ仕様にもなり風の抜けが良く、後面からの出入りも可能。インナースペースも広くインフレーターマットをタイトだが4枚配置することも可能。

上空視点によるフロアサイズは[Ratelworks/ボーデンMID BF]の方がやや大きい。

前面及び側面スペースはほぼ同等だが、[Ratelworks/ボーデンMID BF]は全高が180cmしかないので身長175cmの小生が幕内で直立できるスペースが少ない。

※イメージは外寸値を元に作図、実物と相違がある可能性あり

※画像はメーカーHPより引用

■考察

vs [Ratelworks/ヴォ―ゲルMID]

[Ratelworks/ヴォ―ゲルMID]と[Naturehike/Dune10.9]を12項目で比較したのがコチラ。青背景は[Ratelworks/ヴォ―ゲルMID]が有利な項目、黄背景は同等、赤背景は不利な項目。[Ratelworks/ヴォ―ゲルMID]は後面からの出入りが出来ず、フレームワークがやや難解なことを除けばすべての項目で同等もしくは有利。吊り下げ型インナーテントは付属していないがフライドア装着により幕内に仕切りを設けることが出来るため暖房機器の温度調整が2段階選択できる上に3つの常時開放型のベンチレーターと10枚のメッシュパネルにより細かい換気調整が可能となること、TPUドアオプションがあることを含めると暖房機器を使用する冬キャン向きのソロオコモリ幕と言える。

 

vs [Ratelworks/ボーデンMID BF]

[Ratelworks/ボーデンMID BF]と[Naturehike/Dune10.9]を12項目で比較したのがコチラ。青背景は[Ratelworks/ボーデンMID BF]が有利な項目、黄背景は同等、赤背景は不利な項目。[Ratelworks/ボーデンMID BF]は[Naturehike/Dune10.9]に比べ幕内空間、インナーサイズがやや大きくデュオ、頑張ればトリオ使用も可能な幕。BF生地作用で質感&遮光性が高いが、ポール数やフライ重量が重く取り回しは悪い。また全高180cmと低いため身長175cmの小生が幕内で直立できるスペースは限定されるのが残念。遮光性が高く幕内空間も広く且つ四方四面をオープン仕様、前室側面をハーフメッシュに出来ることを考えると夏キャン向きの幕と言える。また、インナーサイズもこのサイズ感の幕としては広いためタイトながらもトリオ使用にも耐えうる。

※画像はメーカーHPより引用

■まとめ

[Naturehike/Dune10.9]の代替幕として[Ratelworks/ヴォ―ゲルMID]と[Ratelworks/ボーデンMID BF]の2幕を諸々比較検討してが良幕とも非常に優秀な幕と言える。ソロキャンオンリー使用なら[Ratelworks/ヴォ―ゲルMID]、ソロキャンに加えデュオ・トリオ使用も含めると[Ratelworks/ボーデンMID BF]かな。とはいえ比較してみて改めて[Naturehike/Dune10.9]も優秀な幕なことが解ったため選択肢が増えるため

 

※画像はメーカーHPより引用