モノポール派生テントとも言えるラーテルワークスの独自フレームワーク幕[Ratelworks/ ヴァルライトBF]の“解剖の儀”を執り行う。
目次
■仕様
製品HPから引用した仕様と特徴がコチラ。
-仕様
ブラッシュファイバー生地はコットンライクで質感が高いポリエステル生地で150Dの厚みと遮光PUコーティングにより遮光性を向上させた素材。コットンライク調の質感で重量も重いが、あくまでポリエステル素材なので火の粉に弱く、結露も発生し易い。
【品名】WAL LIGHT BF(ヴァルライト ブラッシュファイバー)
【品番】RWS0198
【価格】73,000円(税込)
【材質】フライシート:150DポリエステルBF(PUコーティング、遮光PUコーティング、耐水圧5000mm、撥水加工、UVカット加工)
インナー:ポリエステル65%、コットン35%(撥水加工)
インナー(ボトム):210Dポリエステルオックスフォード(PUコーティング、耐水圧3000mm、撥水加工)
ポール:フロントA6061(19mm)センターA6061(25mm)アーチポールA7001(13mm)※製品改良のため予告なくデザイン・仕様を変更する場合があります。
【展開サイズ】約W380×H200×D290cm
【収納サイズ】約W70×H34×D30cm
【重量】約13kg(ツールバック除く)
【カラー】グレージュ
【付属品】ペグハンマー、鍛造ペグ、ガイロープ、オリジナル自在金具、デイジーチェーン、ツールバッグ
【備考】薪ストーブ穴なし、キャノピーポールなし
【対応人数】1~2人
ヴァルライトからの変更点がコチラ。フライシートの厚みが増し、遮光PU加工に変更となり遮光性UP且つ、全高が180cm⇒200cmと高くなり幕内空間も拡張している。全高180cmだと身長175cmの小生が幕内で直立できるスペースがほぼ確保できないので全高UPは嬉しい変更である。
・フライシート材質を70D⇒150DBFに変更
・フライシートPU加工⇒遮光PU加工に変更
・最頂点の高さ180cm⇒200cmに変更
・負荷のかかる部分にスペクトラファイバーを採用
-特徴
製品HPの情報より私見踏まえた特徴がコチラ。橙字は個人的所感。
≫最上のプライベート空間を実現 コンパクト2ルームテント
フルクローズ、フルメッシュ、フルオープン、四方四面ドアパネル(サイドはハーフ)跳ね上げのアレンジが可能。BF生地は高い遮光性も相まって日差しの強い季節でも濃い日除けスペースを確保することが可能。⇒遮光性が高い分フルクローズ時の幕内は暗くなるため朝夕はLEDランタンの設置が必須になるかもしれない。
≫テント内から見る景色は開放感抜群
ドアパネル跳ね上げ時はプライバシーを保ちつつ、テント内から約180度見渡せる開放感抜群のビューを楽しめる。⇒前室ドアパネル3面3方向立上げ(サイドはハーフサイズ)は面倒なので通常は1面、日差しが強い時に2面立上げが現実的と思われる。
≫スペクトラファイバー生地採用
より負荷がかかる箇所には、スペクトラファイバー生地を採用。
≫空気循環を促進する換気口配置で空気循環
フルクローズ状態でも、雨の侵入を防ぎつつ換気可能。常に新しい空気がテント内を循環。⇒ティピー型は幕内の空気や料理臭が抜けやすいのためのが魅力。
≫換気口は内側から開閉可能
換気口のスタンディングバーは内側からも立ち上げることが可能です。⇒幕を立ち上げた後でも操作できるのは便利。
≫前後左右メッシュにできるインナー
前後左右の4面をメッシュにできるため、夏場でも風通りが抜群。また、インナーテント内から外の景色を見ることができ、閉塞感を感じること無く、快適に過ごせる。⇒インナーメッシュがあることで暑い季節の使用感UP。
≫インナーテント高180cm・コット2台設置可能な広さ
高さ180cmあるので、インナー内で立ったままの着替えもラクラク。また、足元にも荷物を置けるスペースを確保しつつ、大人2人が就寝可能な広さ。⇒身長175cmの小生が直立できるスペースを確保することはできないがインナーとして必要十分で余裕のあるサイズと思われる。只、ソロキャンの際はデフォルトのインナーは使わず。コットテントをカンガルースタイルにすることが多いかな。
≫インナーテント前後に電源コード引き込みファスナー付き
前後に電源コードを引き込むことができるファスナーがついているので、サイトでのレイアウトを自由に楽しめる。⇒ソロキャンで電源サイトを使用する機会は殆どないので小生にとっては必要なし。
≫インナーポケット
インナーテント内にも収納ポケットを装備。⇒インナー内の収納ポケットは結束ロープやコード類を収納できるので便利。
≫スカート標準装備
スカート標準装備なので冬場の寒い時期にも対応可能。スカートはペグダウン及び巻き上げもできるため、キャンプをオールシーズンお楽しみ。⇒冬キャンメインの小生に取っ手スカート付は必須。ペグダウンが出来るので強風時にバタバタしないも良い。夏場は風の抜けを良くするため巻き上げも出来るのは有難い。
≫撥水加工
屋根としてインナーテントを守るフライシートは、屋外では常に過酷な気象変化にさらされる。三寒四温とも言われる日本の気候変化のもと、高いレベルの防水機能、撥水機能を備えて降雨に対処するスペックが必要。フライシート生地の耐水圧は5,000mmを保証し、紫外線による生地や人体への影響を軽減するためUVカット加工を施している。⇒採用しているBF生地は耐水圧5,000mmと高いがその分、結露が発生し易いかもしれない。
≫デイジーチェーン標準装備
RATEL WORKSのロゴ織りネームが入ったカラビナ付きデイジーチェーンが最初から付属。⇒デイジーチェーンは余り使わないかな。
≫雨溜防止ループ
テントの張り方によっては前室天井部分に雨溜が発生することがある。雨溜を回避するためのループを取り付け。⇒アーチポールやポールで拡張するティピーテントの弱点である雨溜まりにも対応しているのは評価できる。
≫鍛造ペグ標準装備
『RATEL WORKS』オリジナル鍛造ペグが標準で付属。長さは25cmあり、安心してテントを設営。⇒既に汎用ペグを所有しているので使わないかな。
≫リフレクトガイロープ標準装備
夜間、光を当てると反射するリフレクトガイロープ標準装備。(オリジナル自在金具付)ガイロープに引っかかるなど、怪我につながるリスクを回避可能。⇒冬キャンが多い小生にとっては地味に便利。
≫オリジナル自在金具標準装備
『RATEL WORKS』オリジナル自在金具が標準で付属。傷がつきにくいマット塗装を施したステンレス製。⇒デザインが良いので使ってみたい。
≫グランドシート標準装備
インナーボトムと同素材のグランドシートが標準装備。テントボトムの保護、地面からの冷気や湿気を遮断する効果あり。⇒基本、コットテントのカンガルースタイルだが、冬のおこもりとしてインナー仕様にする際はグランドシートは必須。
≫高品質ペグハンマー標準装備
破棄してしまうような、プラスチックのハンマーや打ちづらいハンマーではなく高品質なペグハンマーを標準装備。⇒既にペグハンマーは所有しているので使わないかな。
≫小物収納ケース標準装備
ペグ、ペグハンマー、ガイロープ、自在金具や小物を収納できるツールケース標準装備⇒既にペグハンマーの収納ケースは所有しているので使わないかな。
■シリーズ3幕
“ヴァル”シリーズは展開サイズにより3規格ラインナップされている。“ヴァル3”はファミキャン用途で“ヴァルライト”&“ヴァルライトBF”はソロデュオ向けの幕と言える。“ヴァル3”の両サイド前室パネルは各一面ずつ立上げが可能だが、“ヴァルライト”&“ヴァルライトBF”は各半面の立上げで出入りするにはやや狭い。
| シリーズ | “ヴァル”シリーズ | ||
| テント名 | ヴァル3 | ヴァルライト | ヴァルライトBF |
| タイプ | ティピー | ティピー | ティピー |
| カラー | ブランベージュ/グレージュ | グレージュ | グレージュBF |
| 生地 | 68Dリップストップポリエステル | 70Dリップストップポリエステル | 150Dブラッシュファイバーポリエステル |
| 耐水圧(mm) | 3,000 | 2,000 | 5,000 |
| ポール | モノ19mm(A6061) アーチ13mm(A7001) |
メイン25mm(A6061) モノ19mm(A6061) アーチ13mm(A7001) |
メイン25mm(A6061) モノ19mm(A6061) アーチ13mm(A7001) |
| 外寸(cm) | 520*280*250(h) | 380*290*180(h) | 380*290*200(h) |
| 外寸乗値(m3) | 36 | 20 | 22 |
| インナー寸(cm) | 260*200*180(h) | 270*155*170(h) | 270*155*180(h) |
| 収納寸(cm) | 75*30*30(h) | 70*34*30(h) | 70*34*30(h) |
| 総重量(kg) | 15.3※ツールバック含まず | 13 | 13※ツールバック含まず |
| ポール数(本) | 4 | 4 | 4 |
| 対応人数(人) | 4 | 1~2人 | 1~2人 |
| 参考価格 | ¥93,280 | ¥59,800 | ¥73,000 |
| オープン面 | 4 | 4 | 4 |
| メッシュ面 | 4 | 4 | 4 |
| TPU | なし | なし | なし |
| ペグなし自立 | 不可 | 不可 | 不可 |
※正確な仕様は各製品HPを参照のこと
■純正オプション
デフォルトでキャノピー立上げポールは付属していないので別途購入する必要がある。純正の立上げポールの長さは130/170/190cmの3種類。“ヴァルライトBF”の前面パネル高は140cmなので150cm位が丁度良い感はあるが150cmのラインナップは無い。純正なら170cmがベターかな。ガイロープ、自在金具、ペグも純正でのラインナップあり。
・FLIP UP POLE (フリップアップポール)2本セット 170cm
・ガイロープ 4m×4本セット
・自在金具12個入セット
・鍛造ペグ4本セット
■展開イメージ
イメージ図はあくまで外寸比較から作成したもので実物と相違のある可能性あり。
≫展開イメージ
上面及び前面、側面のイメージがコチラ。ソロのおこもりテントとして使い易いサイズ感。身長175cmの小生が幕内で直立できるスペースを確保することが出来る。
≫インナーレイアウトイメージ
デフォルト吊り下げインナーならマットもしくはコット2個をレイアウトしデュオ使用も可能。ソロならコットもしくはコット1個をインストールして残りのスペースをリビング及び荷物スペースとして使用することが出来る。冬キャンで吊り下げインナーボトムの結露が気になるなら、コットテントをレイアウトし土間スタイルで運用するのも良い。
-純正吊り下げインナー
・[サーマレスト/ベースキャンプL]
・[ヘリノックス/コットワンコンバーチブル]
-コットテント
・[AS2OV/フォールディングコット2WAY]+[DRASOUL/コットテントTC]
≫シリーズ幕イメージ
ファミリー用途の“ヴァル3”はソロ・デュオ用途の“ヴァルライトBF”に比べ二回り程小さい。“ヴァル3”前室の側面パネルはパネル毎跳ね上げることが出来るが“ヴァルライトBF”はハーフサイズ立上げ。“ヴァル3”は前室側面の開口部が広く出入りし易いが、“ヴァルライトBF”は出入りがし難い。
“ヴァルライトBF”は“ヴァルライト”より全高が+30cmとなり身長175cmの小生が幕内で直立できるスペースを確保することが出来る。それ以外のボトムやスペースの寸法は同じ。
■他幕比較
ディピー型テント[Ogawa/タッソTC]とドーム型テント[Ratelworks/ヴォ―ゲルMID]との仕様及びイメージ比較がコチラ。
VS [Ogawa/タッソTC]
以前の使用していたティピー型テント[Ogawa/タッソTC]との仕様比較がコチラ。[Ogawa/タッソTC]はボトム形状を3パターン選択することが出来きオプションのメッシュスクリーンを装着することにより幕内空間を拡張することが出来るアレンジ幅の広いテント。モノポール仕様だと時短設営が可能だが外周部のデッドスペースが広く、フルクローズ時の動線が悪い。[Ogawa/タッソTC]の単体の値段はそれほど高くないがアレンジポールやメッシュスクリーンを含めると結構高くなるに対し、“ヴァルライトBF”はキャノピー立上げポールは付属していないがインナー、グランドシートはデフォルトで付属しているのが利点。
| テント名 | ヴァルライトBF | タッソTC |
| タイプ | 派生ティピー | アレンジティピー |
| 生地 | 150Dブラッシュファイバー | T/C |
| 耐水圧(mm) | 5,000 | 350 |
| ポール | メイン25mm(A6061) モノ19mm(A6061) アーチ13mm(A7001) |
6061アルミ合金 30mm/27.2mm |
| 収納寸(cm) | 70*30*34(h) | 74*24*24(h) |
| 外寸(cm) | 380*290*200(h) | ヘキサ:415*370*250(h) ペンタ:430*430*220(h) オクタ:480*480*195(h) |
| 外寸乗値(m3) | 20 | 38/41/45 |
| インナー寸(cm) | 270*155*170(h) | 360*150*200(h) ※別売 |
| 総重量(kg) ※ツールバック含まず |
13 | 7.4 |
| ポール数(本) | 4 | 1 |
| 参考価格 | ¥73,000 | ¥42,900 |
| オープン | 四面 | 二面 |
| メッシュ | 四面 | なし |
| グランドシート | あり | なし |
| ルーフプロテクタ | なし | なし |
| TPU | なし | なし |
| ペグなし自立 | 不可 | 不可 |
※正確な仕様は各製品HPを参照のこと
[Ogawa/タッソTC]のイメージ図は最も使用頻度が高かったヘキサスタイル。側面イメージ比較を見るよと良く分かるが、ヴァルライトBFは前方をポール2本、後方をアーチポールを使って幕内空間を拡張し外周部のデッドスペースが少なく幕内動線が良い。
VS [Ratelworks/ヴォ―ゲルMID]
小生が一番気になっている“ヴォ―ゲルMID”の仕様比較がコチラ。“ヴォ―ゲルMID”はポールをスリーブに通し撓らせる行程がありフレームワークも“ヴァルライトBF”に比べるとやや難解だが、ペグダウンなしで自立できるため立ち上げ後の位置調整が可能のため炎天下時に日陰で立上げ後に移動したり、乾燥作業時にはペグを抜いて日向に移動することができるのが便利♪“ヴァルライトBF”はBF生地採用で遮光性が高く、四方四面オープンできるため暑い季節を含む春夏秋の3シーズン、“ヴォ―ゲルMID”は前面一面のみオープンだが開口部が大きく動線が良く、且つメッシュフルでTPUドアオプションもあり秋冬春の3シーズンに適していると思われる。
| テント名 | ヴァルライトBF | ヴォ―ゲルMID |
| タイプ | 派生ティピー | 魚座ドーム |
| 生地 | 150Dブラッシュファイバー | 68Dリップストップポリエステル |
| 耐水圧(mm) | 5,000 | 3,000 |
| ポール | メイン25mm(A6061) モノ19mm(A6061) アーチ13mm(A7001) |
アーチ14.5mm(A7001) オーバーハング13mm(A7001) バック11mm(A7001) |
| 収納寸(cm) | 70*30*34(h) | 70*30*40(h) |
| 外寸(cm) | 380*290*200(h) | 400*350*195(h) |
| 外寸乗値(m3) | 20 | 27 |
| インナー寸(cm) | 270*155*170(h) | インナーなし (グランドシート+フライドア+フライシート)⇒340*270*195(h) |
| 総重量(kg) ※ツールバック含まず |
13 | 12.2 |
| ポール数(本) | 4 | 5 |
| 参考価格 | ¥73,000 | ¥79,900 |
| オープン | 四面 | 一面 |
| メッシュ | 四面 | 四面 |
| グランドシート | あり | あり |
| ルーフプロテクタ | なし | あり |
| TPU | なし | 別売 |
| ペグなし自立 | 不可 | 可 |
※正確な仕様は各製品HPを参照のこと
■所感
[Ratelworks/ ヴァルライトBF]の“解剖の儀”を終えての所感がコチラ。
○フレームワークがシンプル
○コットンライクの高い質感と高い遮光性のあるBF生地採用
○後方アーチと前方ポールにより幕内空間を拡張
○四方四面フルオープンが可能
○四方四面フルメッシュが可能
○前後面パネル立上げ、両サイド2面ハーフ立上げが可能
×モノポールテントに比べ拡張ポールの分、設営に時間が掛かる
×前室側面からの出入りがし難い
×BF生地採用で重量UP及びフルクローズ時幕内が暗い
×別ペグダウンなしで自立できないため立ち上げ後の位置調整が出来ない
×ドーム型テントに比べピン張りがやや難しい
×TPUドアオプションがない





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