[Anker/Nebula Capsule Ⅲ Laser] ~キャンプで使用する際の7つの壁~

2022年12月に発売となったモバイルプロジェクタ―[Anker/Nebula Capsule Ⅲ Laser]はコンパクトモデルでフットプリントも小さく設置が楽チンでモバイル用途で使い易い製品。モバイル用途と一口に言っても自宅内の部屋間移動や、友人宅、ホテル、集会所、屋外等多岐にわたる。今回は特にアウトドアであるキャンプ時におけるシアター環境を整える上でクリアすべき7つの壁について考えてみる。

 

■キャンプでプロジェクターを使う際の7つの壁

キャンプでプロジェクター環境を整える際に7つの壁が存在する。

①ルールの壁
②モラルの壁

③距離の壁
④明るさの壁
⑤雑音の壁
⑥雨埃の壁
⑦虫の壁

①ルールの壁

そもそもキャンプ場で音響機器の使用がルールで禁止されている場合は使用することは出来ない。幕内でイヤホンを使い且つ映像が透けない環境を整えればその限りではない。

②モラルの壁

キャンプ場は価値観の違う人たちの集まる場所である故、“”と“”を発生するプロジェクターの使用は周囲への配慮を考える必要がある。キャンプは自然を楽しむものでプロジェクターの使用自体を邪険に思っている人もいるだろう。音の場合はソロならイヤホンを利用することで対処できるが光の場合は幕内で使用する限り周囲へ迷惑になることは少ないと思うが幕外で使用する場合はその限りではないので注意する必要がある。

③距離の壁

プロジェクターは単体では事を成さず、投影するスクリーンとセットで使用する必要がある。ホワイト~ベージュ系の淡色テントもしくはインナーテントであれば別途スクリーンを用意しなくてもスクリーン代替となるがそうでない場合は別途スクリーンを用意取付する必要がある。幕内もしくは幕外に設置するわけだがプロジェクターの投影距離とスクリーンの種類及びサイズによって取付の場所が制限される。

④明るさの壁

[Anker/Nebula Capsule Ⅲ Laser]の輝度は300ANSIルーメンと高くないため、幕外スクリーンの場合は昼間は明瞭に投影することが出来ない。日が暮れる夕方もしくは幕内、インナーテント内で周囲の光が届きにくい場所で投影する必要がある。

⑤雑音の壁

天候不順時、特に大雨時幕内おこもりの際にプロジェクタ―があると便利だが、その実大雨時は雨音が大きくなりそれに伴い音量もUPしないと聞こえない。また、常に雨音という雑音が視聴中バックグランドで流れている状態になるため映画等を見る際は気になるかもしれない。風の音もしかり。

⑥雨埃の壁

[Anker/Nebula Capsule Ⅲ Laser]は防水仕様ではないため、雨天や粉塵舞う中での使用は出来ない。プロジェクターを屋外に設置する際は不意な雨や突風による粉塵の恐れがあるため、放置は避けるのは常道。使用する場所は基本、屋内もしくはフルクローズ時のテント内で使用するのが吉。

⑦虫の壁

夏場に幕外のホワイトスクリーンにプロジェクターと投影すること自体がホワイトトラップ効果となり、虫を集めてしまうことになりかねない。


 

■投影距離

[Anker/Nebula Capsule Ⅲ Laser]の投影サイズとスクリーンとの距離はコチラ。距離が長いほど輝度が低くなるためより周囲を暗くする必要がある。カタログでは40インチ@1.06mが最小投影距離となっているが鮮明さを求めなければ取扱説明書と店頭展示を見る限り20インチ@0.5mでも可能なようだ。距離が短ければ輝度を維持できるので周囲がある程度明るくても視認できると思われる。

≫[Anker/Nebula Capsule Ⅲ Laser]の投影距離
・120インチ@3.18m
・110インチ@2.92m
・100インチ@2.66m
・90インチ@2.39m
・80インチ@2.13m
・70インチ@1.86m
・60インチ@1.60m
・50インチ@1.33m
・40インチ@1.06m

上空及び側面視点からの投影イメージ。MAX120インチで投影しようと思ったらスクリーンとの距離を300cm以上確保し、且つ周囲を暗くする必要があり環境を整えるのは中々難しい。

■所有スクリーン

所有スクリーン6製品の設置寸法と重量はコチラ。

-布スクリーン(72インチ/84インチ/100インチ/120インチ)

布タイプは小さく畳むことが出来るが、四隅を固定する必要があり設置が少し面倒。テント内やレクタタープに装着することが出来るためキャンプとの相性が良い。映写画面が空けるので裏側から反転投影することも可能。

・[AMERTEER/スクリーン72インチ]159*90cm/0.41kg
・[AMERTEER/スクリーン84インチ]186*108cm/0.95kg
・[VAABZZ/スクリーン100インチ]221*125cm/0.454kg
・[Powerextra/スクリーン120インチ]260*146cm/0.76kg








 

-ロールスクリーン(60インチ/30インチ)

ロール式は収納時は全幅分の棒状になり布スクリーンに比べて大きいが展開設置が楽。裏地があるため映像が透けない

・[シアターハウス/掛け軸式スクリーン60インチ]143*82cm/1.26kg
・[サンワサプライ/机上式スクリーン30インチ]75.2*55.8cm/1.18kg




 

-レクタタープへの装着イメージ

布スクリーンとレクタ(スクエア)タープとの装着イメージ。イメーズ図から想定するに[Soomloom/レクタタープTC250*295cm][GOGlamping /スクエアタープTC295*295cm][Soomloom/レクタタープNL300*385cm]がスクリーン装着用として使い易いサイズかな。ブログ記事を盛るとベージュやブラウン系のタープやテントににそのまま映写しているケースが見受けられるので映像クオリティを求めなければ案外行けるのかも知れない。

[GOGlamping /スクエアタープTC295*295cm]は以下のアレンジに100インチもしくは120インチの布スクリーンを装着できると思われる。このアレンジは風に弱いのが難点。

 


 

下記写真は[Soomloom/レクタタープNL300*385cm]に120インチ布スクリーンをS字フックで装着した姿。



 

[GOGlamping /スクエアタープTC295*295cm]を120cmポール*2+130cmポール*2で“マンタフライ張り”し奥側にスクリーンを装着すればシアタールーム調になりそう。奥側は明るさも抑えることが出来るので周囲がある程度明るくても大丈夫かもしれない。奥側の全幅*高さは148*130(h)cmなので[ユージャック/ランタンスタンドダブル]を使って60インチロールスクリーンを設置すれば行けるかな。もしくは前方開放部にスクリーンを設置するほうが現実的かも知れない。その場合は120インチ布スクリーンの二つ折りもしくは60インチロールスクリーンを装着すれば行けそう。下記写真は途中小雨が降ってきたため張り網を一部省略しているためピン張り出来ていない。


 

ちなみに“GOGlamping”及び“Soomloom”の多ループタープシリーズにおけるマンタフライ張りによるシアター化の目安投影サイズの目安はコチラ。

[メーカー名
/製品名]
稜線長
(cm)
ルーフ長
(cm)
キャノピー
ポール長(cm)
マンタフライ
奥室(cm)
奥側
全幅*高さ(cm)
前側
全幅*高さ(cm)
奥行距離
(cm)
投影サイズ
(インチ)
投影距離
(cm)
[GOGlamping/
スクエアタープ
TC]
295 295 150*2 148*74*130(h) 148*130 148*150 221 60 160
350 350 160*2 175*87.5*140(h) 175*140 175*160 263 72 190
400 400 180*2 200*100*160(h) 200*160 200*180 300 84 220
[GOGlamping/
レクタタープ
TC]
280 240 140*2 140*70*120(h) 140*120 140*140 180 60 160
385 297 150*2 193*96*130(h) 193*130 193*150 223 84 220
490 400 180*2 246*123*160(h) 246*160 246*180 300 100 266
[Soomloom/
レクタタープ
NL]
300 385 180*2 150*75*160(h) 150*160 150*180 289 60 160

※一部予測値を使用


 



 

■スクリーン“幕内”設置イメージ

スクリーンを幕内に設置した時を各所有テント毎にイメージしてみた。幕外スクリーンは周囲への光の影響を考慮する必要があり、幕内スクリーンの方が実用度が高いと思われる。また、天候不順時にフルクローズ仕様でも投影可能で周囲への光の影響も少ないが、スペース限られているため、キャンプギアによって光を遮られたりして設置の制限が発生する。

-[オガワ/ロッジシェルターⅡ]

我家のファミキャン主幕であるロッジシェルターⅡでのプロジェクターとスクリーンの設置をイメージしてみる。

 


 

≫投影サイズ:100インチ
幕内で100インチサイズで投影は可能だがキャンプギア満載の幕内へのスクリーンの設置が難しいと思われる。

≫投影サイズ:60インチ
60インチサイズの投影ならスクリーン設置の自由度が高い。

≫投影サイズ:72&100インチ
[オガワ/ロッジシェルター用5人用TCインナー]の壁面をスクリーン代わりにするなら最大72もしくは100インチで映写可能。インナーテント内は背の高いギアも少ないこと、明るさもある程度抑えられていること、インナー生地がピン張りでき且つ淡色のため一番映写し易い環境と思われる

≫投影サイズ:72インチ
ライナーシート及び5人用インナーテントの天井は淡色のためスクリーン代替となりうる。イメージ図から想定するに70インチ相当での映写が可能。

 
-[オガワ/タッソTC]

ソロ主幕のタッソTCはフルクローズ仕様のティピー型テントでデッドスペースが多いためスクリーン設置はかなり制限される。別売りのメッシュスクリーンを装着すれば幕内空間をかなり拡張できるのでプロジェクタースクリーン設置の自由度は上がるが今回はヘキサスタイルのフルクローズ&吊り下げ型インナー仕様で考えてみる。

 





≫投影サイズ:60インチ
タッソTCヘキサスタイルフルクローズ仕様だと幕内荷物を考えると60インチでの映写は厳しい。40インチ投影が現実的かな。

-[スモア/ディーパー]

横長タイプのテントであるため幕内プロジェクタ環境を整えやすい。ソロでプロジェクターメインなら[オガワ/タッソTC]より[スモア/ディーパー]を出動した方がシアター環境が整えやすい。

 


 

≫投影サイズ:60&80インチインチ
横長スタイルなのでインナーテント以外のスペースで60インチ映写にも余裕がある。上部が狭くなっているため、72インチ布スクリーンをフルで装着するのは厳しいかな。

■スクリーン“幕外”設置イメージ

テントとは別にスクリーンを用意することでプロジェクターとの距離を確保できるため大画面での投影が可能となる。別途、タープ及びスクリーンの設置をする手間が掛かるのと光が発生するため周囲への配慮も必要となる。

-[オガワ/ロッジシェルターⅡ]

ファミキャン主幕のロッジシェルターⅡの幕外に[GOGlamping/スクエアタープTC295*295cm]に布スクリーンを装着した際のイメージをタープアレンジ毎に3パターン考えてみた。MAX120インチの布スクリーンの装着も可能だが、現実的に投影できるサイズは100インチと想定。

 

≫スクリーン優先アレンジ
150cmポール*2+170cmポール*2で時短設営優先のタープアレンジ。風の抜けが悪くタープ下の開放感は無い。



 

≫汎用性の高いアレンジ
200cmポール*2+140cmポール*2もしくは200cmポール*2+170cmポール*2でタープ利用優先のアレンジ。プロジェクターを使用しない際のタープ下の風の抜けとスクリーン側のタープ片翼を別途ポールで立ち上げることによりリビングスペースを拡張することも出来る。設営行程が増えることと、雨天時タープからテント側に雨水が流れる点が難点。



 

≫タープ優先アレンジ
220cmポール*2+170cmポール*2を使ったタープ使用優先のアレンジ。タープ下を広々と使える反面、設営行程が多いのと投影エリアが上方に位置するため首を上げての視聴となるのが難点。


 

-[オガワ/タッソTC]

ソロ主幕のタッソTCの場合はテント入口側を多く位置に[GOGlamping/スクエアタープTC295*295cm]を150cmポール*2/170cmポール*2のミニマム構成でスクリーンを設置するのが現実的かな。



 

-[スモア/ディーパー]

ソロ副幕&雨幕のディーパーもタッソTCに準じる。



 

-[コールマン/アテナワイドツーリング130]

テントとタープの2つを設営する手間を考えると、石油ストーブを必要としない季節ならアテナワイドツーリング130との組み合わせが全設営行程が少なく時短運用が可能かな。

 



 

-[オガワ/ツインクレスタS TC]

所有幕ではないが2023年新発売幕の2ポールシェルターでの屋外スクリーン設置イメージも考えてみた。基地感満載で何げに良さそう♪

別途タープを張らなくてもキャノピーを立ち上げてスクリーンを設置すればシアター環境が簡単に整えることが出来そう。投影距離を考えると84インチが実用的かな。

※画像はogawaHPより引用

-[TIANBOLANG/スクエアタープTC300*300cm]

[GOGlamping/スクエアタープTC295*295cm]の場合別途布スクリーンを装着する必要があるが、オフホワイトカラーのポリコットンスクエアタープ[TIANBOLANG/スクエアタープTC300*300cm]を使えばタープ自体がスクリーンの代替となる。ハトメループの数は8カ所で稜線部にループはないのでアレンジが限られるのが残念。ホワイトカラーのレクタ(スクエア)タープはポリエステル生地だと裏地が遮光性向上のためにシルバー加工されているものが多く、タープ兼スクリーンとして考える生地の裏表の質感が同じポリコットン製が好ましいのだが選択肢が少ない。


 

≫スクリーン優先アレンジ
150cmポール*2/170cmポール*2を使ったスクリーン優先アレンジ。



 

≫タープ優先アレンジ
200cmポール*2/140cmポール*2を使ったタープ優先アレンジ。目線が高くなる。



 

■まとめ

各テントと実用スクリーンサイズの一覧がコチラ。[Anker/Nebula Capsule Ⅲ Laser]はキャンプに必須なアイテムではないがあったら楽しそう…とはいえ価格という3つ目の壁も存在し中々踏ん切りが付かない(>_<)。執筆時付近2週間での価格チェックの結果、税込119,900円で1%~7%ポイント還元(1,199~8,393P)の範囲。初売記念クーポーンでは15%引(10,1915円)になったようなコメントもあったため当面静観かな。

[メーカー名/製品名] 幕内スクリーン
サイズ
幕外スクリーン
サイズ
[オガワ/ロッジシェルターⅡ] 60~100インチ 100インチ
[オガワ/タッソTC] 40インチ 100インチ
[スモア/ディーパー] 40~80インチ 100インチ
[コールマン/アテナワイドツーリング130] 100インチ


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