石油ストーブを考える2022 ~キャンプ編~

今回は我家の暖房事情と最も汎用性の高い石油ストーブについて考えてみる。

≪石油ストーブの有用性≫
①非電源サイトでも使用可能
②火力が強い
③持続時間が長い
④燃料コストが安い
※①②は薪ストーブの方が有利だが、③④は石油ストーブの方が有利

■我家の暖房機器

≪ラインナップ≫

我家の暖房機器のラインナップは以下の6アイテム。石油ストーブを軸としてそれ以外の暖房機器を併用する形が多い。

①石油ストーブ⇒[フジカ/ハイペット]
②ガスストーブ⇒[センゴクアラジン/シルバークイーン]
③湯たんぽ⇒[ユニフレーム/UF湯たんぽ]
④電気ストーブ⇒[デロンギ/セラミックファンヒーター]
⑤電気掛敷毛布⇒[コイズミ/電気毛布]
⑥電気カーペット⇒[モフア/ホットカーペット電気カーペット]


 

≪出動率≫

2021年20回に渡るキャンプにおける出動率はコチラ。年間を通して圧倒的に出動率が高いのは石油ストーブで実に7割を占める。ガスストーブは思いの他出動する機会が少ない。湯たんぽも電気掛敷毛布をポータブル電源で長時間駆動が可能になってから滅法出番が減った。

【1】石油ストーブ⇒70%(14/20)
【2】電気掛敷毛布⇒25%(5/20)
【3】電気ストーブ⇒20%(4/20)
【4】電気カーペット⇒10%(2/20)
【5】ガスストーブ⇒10%(2/20)
【6】湯たんぽ⇒5%(1/20)


 

≪仕様比較≫

6アイテムの仕様比較はコチラ。暖房能と燃焼時間と駆動元を考えるとメイン暖房はやはり石油ストーブに頼りざる負えない。電気掛敷毛布はポータブル電源で終日駆動できるが、電気ストーブと電気カーペットは駆動時間が短く実質電源サイト限定の使用となる。

[メーカー名/製品名] 外寸(cm) 重量(kg) 火力/消費電力(kW) 駆動源 燃焼時間(hr)
[フジカ/ハイペット] 31*31*43.2(h) 5.6 2.5 灯油(4.1L) 10~12
[センゴクアラジン/シルバークイーン] 37*29.6*33.5(h) 4.2 0.5~1.4 ガス 2.20-6.55
[ユニフレーム/UF湯たんぽ] 21*21*9.5(h) 0.56 0.58
(平均50℃と想定)
熱湯
[デロンギ/セラミックファンヒーター] 26*16*35(h) 2.1 1.35/0.9/0.45 電気
[コイズミ/電気毛布] 130*80 1.01 0.05 電気
[モフア/ホットカーペット電気カーペット] 176*88 1.8 0.3 電気


 

■[フジカ/ハイペット]のキャンプ使用

我家のメイン暖房の反射板付の[フジカ/ハイペット]だが、火力が2.5kWと石油ストーブの中では低火力モデルに分類される。冬は勿論、春秋の高原キャンプと年間を通して重宝しているが、冬のファミキャン幕[オガワ/ロッジシェルターⅡ]の場合は単体では火力不足が否めない。冬キャンプは勿論、春秋の高原キャンプでも石油ストーブがあるとないとでは断然幕内での快適度が違ってくる。[フジカ/ハイペット]は灯油を入れたままでも運搬できるとの評判だが、メーカー推奨ではなくあくまで経験則によるもの。実際に満タン運搬はしたことはないが灯油を半分位入れた状態で運んだ際の灯油漏れは無かったが若干の灯油臭は感じた。

≪暖房能≫

[フジカ/ハイペット]の暖房能は気候条件にもよるがファミキャン主幕[オガワ/ロッジシェルターⅡ]だと外気温+10℃、ソロキャン主幕[オガワ/タッソTC]だと外気温+15℃程。尚、両幕ともメーカーは幕内での火気使用は推奨していないため自己責任下で安全性に留意して使用している。私見だが幕内温度が10℃以上あれば冬用衣類を着用していれば快適に幕内で過ごすことが出来る。石油ストーブ使用で幕内温度を10℃とするとソロキャンで小生が耐えうる限界気温は-5℃。幕内温度が10℃未満になったら大人しくシェラフに包まって寝て過ごすことになる。

≪温度影響因子≫
(プラス因子)幕内人数、調理機器の使用
(マイナス因子)外気温、風雨、地面状況

■10アイテム仕様比較

定番及び新製品の石油ストーブ10機種を火力順に並べてみたのがコチラ。火力2~3kWモデルの小型石油ストーブの最適使用状況は今日は冬のソロキャン、火力6kWモデルの大型石油ストーブは冬のファミキャンといったところか。

No. [メーカー名/製品名] 最大火力
(kW)
タンク
容量(L)
燃焼時間
(hr)
外寸
(mm)
重量
(kg)
参考価格
(円)
1 [スノーピーク/タクード] 2.15 3.1 15 380*380*340(h) 6 ¥43,780
2 [コロナ/RX-22YA] 2.24 3.7 17 452*324*475(h) 7.4 ¥8,480
3 [トヨトミ/ギアミッションRS-GE23] 2.25 3.6 16 442*330*446(h) 6.6 ¥16,500
4 [フジカ/ハイペット] 2.5 3.6 10~12 310*310*432(h) 5.6 ¥32,120
5 [トヨトミ/レインボーRB-250] 2.5 4.9 10~20 388*388*485(h) 6.2 ¥22,700
6 [アラジン/ブルーフレームストーブ] 2.68 4.1 15 405*388*551(h) 8.5 ¥54,780
7 [アルパカ/ストーブ] 3 3.7 10 350*350*405(h) 6.6 ¥30,800
8 [パセコ/WKH-3100G] 3 5.3 18 317*317*467(h) 5.3 ¥17,000
9 [パセコ/CAMP-25] 6.4 7 10 445*445*570(h)
※445*445*440(h)
7 ¥39,600
10 [トヨトミ/KS-GE67] 6.66 6.3 9.7 482*482*583(h) 11 ¥35,200

※正確な仕様は各製品HPを参照のこと

■10アイテム紹介

①[スノーピーク/タクード]
過去所有。対流型ストーブの中ではミニマムサイズで車載を圧迫しない。特に高さが34cmは車載する上で重宝する。その分火力は弱いが、最低気温予想が5℃を下回らなければソロキャンでも必要十分な暖房能を有する。灯油が少し残った状態で車載運搬した限りでは灯油漏れは無かった。


②[コロナ/RX-22YA]
10アイテム中最安値の電池着火タイプの反射型ストーブ。


③[トヨトミ/ギアミッションRS-GE23]
アウトドアなデザインの電池着火タイプの反射式ストーブ。現在在庫切れで高値出品中。灯油缶を抜いても本体に灯油が残ってしまうため漏れを防止するには完全燃焼させるか、運搬前に灯油を抜く作業が必要。


④[フジカ/ハイペット]
我家の主暖房の石油ストーブ。対流式だが反射板付モデルなら前方もそれなりに暖かくなる。ソロキャンでは過不足ないがファミキャンだと最低気温が氷点下になるときは火力不足が否めない。

⑤[トヨトミ/レインボーRB-250]
定番の対流型石油ストーブ。


⑥[アラジン/ブルーフレームストーブ]
レトロなデザインの対流式石油ストーブ。


⑦[アルパカ/ストーブ]
一昔前の格安石油ストーブだが最近はスペックアップと共に価格も上昇している。キャンプ仲間のHKさんはフジカハイペットと2台持ちだが、火力が強い[アルパカ/ストーブ]をメインで使用している。灯油も漏れにくい構造のようだ。もう少しタンク容量があれば尚良いのだが。


⑧[パセコ/WKH-3100G]
コスパに優れる小型石油ストーブ。タンク容量が5.3L、燃焼時間が18時間と長いため給油頻度が少なくて済むのは地味に便利。


⑨[パセコ/CAMP-25]
運搬時は本体の高さが57cm⇒44cmと低くなる高火力型対流式石油ストーブ。


⑩[トヨトミ/KS-GE67]
10アイテム中最高火力を誇る対流型石油ストーブ。収納時のサイズおよび重量も最大だけど。


■我家に追加導入するなら

[フジカ/ハイペット]を所有している小生が現在気になっているアイテムは以下の2つ。冬のファミキャン時に2台体制とするなら対流型[トヨトミ/ギアミッションRS-GE23]、1台で済ませるなら高火力の[パセコ/CAMP-25]。2台体制の利点は温度調節ができること、難点は車載が圧迫すること。高火力タイプ1台体制の利点は車載が1台で済むこと、難点は温度調節が出来ないこと。ん~悩ましい。[トヨトミ/ギアミッションRS-GE23]は現在在庫切れで高値出品中なので値段が戻るまでは購入しないけど。

・[トヨトミ/ギアミッションRS-GE23]
・[パセコ/CAMP-25]




 

■冬のソロキャンに導入するなら

冬のソロキャンでお勧めの石油ストーブは使用テントにもよるが、[フジカ/ハイペット]と[アルパカ/ストーブ]の2アイテム。只、[フジカ/ハイペット]は納期が1年半以上先となっており、直ぐに冬キャンで必要なら[アルパカ/ストーブ]が良いかな。自宅兼用もしくは防災兼用ならアウトドアデザインの[トヨトミ/ギアミッションRS-GE23]が良い。

・[フジカ/ハイペット]
・[アルパカ/ストーブ]
・[トヨトミ/ギアミッションRS-GE23]


 

■冬のファミキャンに導入するなら

冬のファミキャンなら運搬時に小さくなる[パセコ/CAMP-25]一択。ソロだと高火力過ぎるため流用し難いかな。専用収納ケースのラインナップもある。

・[パセコ/CAMP-25]





 

■幕内使用時の注意点と対策

基本的にテントメーカーは石油ストーブの幕内利用を推奨していない。理由は一酸化炭素中毒や火傷や火災のリスクが否めないため。なので使用はあくまで個人の自己責任となる。

≪火災≫

火災のリスクは石油ストーブの幕内配置場所と周りに燃えやすいものを置かないことに留意すれば良い。

≪火傷≫

火傷を予防するにはストーブガードを設置するのが効果的。衣服への接触予防にもなる。特にダウン系衣服はちょっと触れただけで表皮が溶けて中のダウンが飛び出すため、特に注意が必要。小生も以前石油ストーブではないが薪ストーブの煙突に触れてしまい、パタゴニアのダウンジャケットに穴をあけた苦い経験がある(>_<)。その他にもBBQ炭が爆ぜてダウンに穴が空いたこともあり、小生はダウンは冬キャンプには着ていかないことにしている。


 

≪一酸化炭素≫

一酸化炭素中毒は死に繋がるため特に注意する必要がある。とはいっても火力3kW未満の石油ストーブを大型幕で使用する場合、上部ベンチレーターを常時開放していればボトム裾部からの隙間風もあるのでその実、そこまで心配する必要はないと考える。雪で裾部が埋まってしまうばあいは注意が必要。また、不完全燃焼の場合も一酸化炭素が発生し易いので最適火力調節は必須、できれば古い灯油も使わない方が良い。私見だが全高180cm未満、上部ベンチレーターがないソロ幕では石油ストーブは使わない方が無難。どうしても高火力を望むならむしろ煙突排気が可能な薪ストーブを使うべきだと考える。また、一酸化炭素チェッカーは2台体制ならより安心感あり。且つ石油ストーブは就寝時は消火することが望ましい。以下、一酸化炭素チェッカーの製品群。

[オガワ/ロッジシェルターⅡ]の場合
短辺側上部両面のベンチレーターを開放していれば着火消火時以外は一酸化炭素チェッカーの値はほぼ0ppmを維持している。

[オガワ/タッソTC]の場合
上部ベンチレーターが少し小さいので、着火消火時に30ppm程になるがそれ以外は0~10ppmの値を示すことがある。

・[R.g.wings/一酸化炭素警報器]
日本製の高感度センサー搭載モデル。小生は当モデルと同系の[DOD/一酸化炭素チェッカー2]を使用している。機体がコンパクトなので邪魔にならない。


・[Cam.G Mini/ポータブル一酸化炭素警報]
Type-C充電タイプの一酸化炭素チェッカー。2台目はこれが最有力候補。


・[新コスモス電機/住宅用火災(煙式)・CO警報器 快適ウォッチ SC-725T]
安心の国内メーカー。元々は住宅用常備用のため機体が少し大きめ。


・[dt/Smart sensor ST8700A+]
工業用一酸化炭素チェッカー。日本製のセンサーを使用。


・[BOSEAN/一酸化炭素測定器]
工業用一酸化炭素チェッカー。


・[VSTN/一酸化炭素チェッカー]
格安モデル。


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